ギリシア神話の神々57
<ヘベ:天界の宴の華Ⅱ>

若さと活力を司る青春の女神ヘベ。
彼女が人間に与えてくれる恵みは2つあります。
その1つは当然のことながら「若返り」で、ヘラクレスの甥イオラオスが、この素晴らしい恩恵に与りました。
彼は敬愛する伯父の死後、その老母アルクメネと幼い遺児達を卑劣なエウリュステウス王の魔手から守ってきたのですが、いよいよ王と全面戦争になるという時、自らの老いを嘆き、ゼウスとヘベに「今日1日だけで構いませんから、どうかこの身にあの若き日の力を!」と祈ったのです。
嘗ての愛人アルクメネや自分の孫に当たる子供達の危機を見たゼウスが、若返りを許した為、ヘラクレスとヘベは2つの星となってイオラオスのもとに降臨し、彼の姿を黒雲で覆い隠しました。
やがてその雲が消えるとヘベの力で血気盛りの青年に戻ったイオラオスが現れ、甦った武勇を存分に発揮して獅子奮迅の大活躍を見せ、戦いは彼らの大勝利に終わりました。
もう1つの恵みはこれとは逆で、「幼い子供を急成長させて青年にする」というものです。
これに与ったのは英雄アルクマイオンの幼い遺児達でした。
このアルクマイオンは、既にアルシノエという妻がいたにも関わらず別の女カリロエを娶り、この新しい女にねだられて昔アルシノエに贈った貴重な結納の宝物を取り返そうとしたのですが、余の侮辱に怒ったアルシノエの父ペゲウスによって殺されてしまいました。
夫の死を知ったカリロエはペゲウスを憎み、たまたま彼女に浮気心を起こして近づいてきたゼウスに対して「子供達に父の仇を討たせたいのです。まだ幼いこの子達を今すぐ大人にしてください!」と願いました。この恋人の願いをゼウスは聞き入れ、ヘベに命じて子供達を一気に成長させ父の仇を討たせたの
でした。
もちろん、ヘベのこれ等の力は自然の流れに反するもの。
よって濫用は出来ず、ただ運命が認めた場合にしか行使されることはありません。
もしどうしてもと言うのであれば、メデイアのような一流の魔女に頼み、魔女神ヘカテの助力と生贄・呪文・薬草などの複合技でヘベの力を引き出して奇跡を起こしてもらうしかないでしょう。
運命無視の非合法的なやり方ではありますが、実際英雄イアソンはこれで老父アイソンを40歳以上も若返らせることに成功しましたし、酒神ディオニュソスも自分の乳母たちの若返りをメデイアに依頼して見事に望みを達しています。
続く・・・・

若さと活力を司る青春の女神ヘベ。
彼女が人間に与えてくれる恵みは2つあります。
その1つは当然のことながら「若返り」で、ヘラクレスの甥イオラオスが、この素晴らしい恩恵に与りました。
彼は敬愛する伯父の死後、その老母アルクメネと幼い遺児達を卑劣なエウリュステウス王の魔手から守ってきたのですが、いよいよ王と全面戦争になるという時、自らの老いを嘆き、ゼウスとヘベに「今日1日だけで構いませんから、どうかこの身にあの若き日の力を!」と祈ったのです。
嘗ての愛人アルクメネや自分の孫に当たる子供達の危機を見たゼウスが、若返りを許した為、ヘラクレスとヘベは2つの星となってイオラオスのもとに降臨し、彼の姿を黒雲で覆い隠しました。
やがてその雲が消えるとヘベの力で血気盛りの青年に戻ったイオラオスが現れ、甦った武勇を存分に発揮して獅子奮迅の大活躍を見せ、戦いは彼らの大勝利に終わりました。
もう1つの恵みはこれとは逆で、「幼い子供を急成長させて青年にする」というものです。
これに与ったのは英雄アルクマイオンの幼い遺児達でした。
このアルクマイオンは、既にアルシノエという妻がいたにも関わらず別の女カリロエを娶り、この新しい女にねだられて昔アルシノエに贈った貴重な結納の宝物を取り返そうとしたのですが、余の侮辱に怒ったアルシノエの父ペゲウスによって殺されてしまいました。
夫の死を知ったカリロエはペゲウスを憎み、たまたま彼女に浮気心を起こして近づいてきたゼウスに対して「子供達に父の仇を討たせたいのです。まだ幼いこの子達を今すぐ大人にしてください!」と願いました。この恋人の願いをゼウスは聞き入れ、ヘベに命じて子供達を一気に成長させ父の仇を討たせたの
でした。
もちろん、ヘベのこれ等の力は自然の流れに反するもの。
よって濫用は出来ず、ただ運命が認めた場合にしか行使されることはありません。
もしどうしてもと言うのであれば、メデイアのような一流の魔女に頼み、魔女神ヘカテの助力と生贄・呪文・薬草などの複合技でヘベの力を引き出して奇跡を起こしてもらうしかないでしょう。
運命無視の非合法的なやり方ではありますが、実際英雄イアソンはこれで老父アイソンを40歳以上も若返らせることに成功しましたし、酒神ディオニュソスも自分の乳母たちの若返りをメデイアに依頼して見事に望みを達しています。
続く・・・・
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