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2011/07/06

人類の軌跡その142:ミステリー24 この厳粛な茶番劇はいつ終わるのか

<シェークスピアを創作した男その2>

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  ウィリアム・シェークスピア生家(ストラトフォード・アプオン・エイヴォン)

 劇作家のリチャード・シェリダンがその戯曲を読み「素晴らしい着想は確かに認められるが、生硬でこなれきっていない。非常に若い時の作品と判断せざるを得ない。真に彼の作品で在るか否か、という疑問について言うなら、この原稿を見て、誰が其れを古い物と思わずに居られようか」

 シェリダンは300ポンドの即金と、舞台上演の収益から、一定の配当を支払う条件で、戯曲を買い取りました。
主演俳優のジョン・ケンブルは、戯曲を偽物と確信しており、初演をエイプリル・フールの夜に行おうと努めましたが、不成功に終わりましたが、同じ興行中に「この日の嘘」と云う演劇を、上演させることには成功しました。

 初日の夜、ケンブルは次の様な、荘厳な死神へのモノローグを朗誦しました。

 かくて汝、荒々しき哄笑と奇怪なる術を用いて、汝が騒がしき指を横腹に打ちつけたり。

 それからケンブルは一息入れ、対の台詞を「墓穴から聞こえてくる様な声で」述べました。

 この厳粛なる茶番劇はいつ終わるのか・・・・・・・

 ケンブルの意図は、観客に直感的伝わり、観客席から爆笑が湧き上がって、10分間も続き、この時に模様をアイアランドは後に次の様に述べています。
笑いがようやく静まった時、ケンブルはもう一度舞台中央に戻り、その場を演じ終える前に、同じ台詞を「まじめくさった面で」繰り返しました。

 アイアランドのゲームは終わりました。
否定論者が急激に力を増し、著名なシェークスピア研究家のエドマンド・マローンは「ボーディガン」を真っ赤な偽物と公然と非難し、こうしてドルリー・レーン劇場の上演は、初日の1回だけで終了しました。

 少年の父親が、偽作の犯人として非難され始め、アイアランドは自白しましたが、多くの人々は、少年が父親をかばっているのだと考え、父親は、息子は誰かをかばって嘘の自白したのだと思っていました。

 少年は其れでも尚、ウィリアム征服王からエリザベス1世迄、歴代の王朝を舞台にしたシェークスピア劇を創造する計画を放棄しませんでしたが、彼の「ヘンリー2世」は完全に無視され、1835年にこの世を去る迄、彼は自分の名前で小説と詩を数編発表しましたが、人々の記憶に残ったのは、偽りのシェークスピア劇だけでした。
そして、問題の原稿は現在も尚、大英帝国博物館に展示されています。

終わり・・・
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