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2011/07/12

人類の軌跡その146:ミステリー28 現実の鉄仮面

<鉄仮面その2>

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                   ルイ14世と家族

 学者で在り、又政治家でもあるクイックスイッド卿が発表した推論は、既知の事実と符合す様に思われます。
囚人は、ルイ14世の真実の父親ではなかったのか、と言う推論なのですが・・・。

 ルイ13世とアンヌ・ドートリッシェは22年間の結婚生活中、一人の子宝に恵まれませんでした。
当時フランスの実権を掌握していたのは、リシュリュー宰相で、彼は自分の権力維持の為に王の世継ぎの誕生を待ちあぐねていました。
ルイ13世の子が王位を継承すれば、リシュリュー派は引き続き権力を行使できます。
しかし、王と王妃は、14年前から別居生活を続けていましたが、宰相は何とか、公式の和解を取り持ち、そうして全フランスが驚天動地した事に、王妃は1638年、男子をもうけました。

 それ以前に国王夫妻に子供が生れる事は無く、しかも二人は互いに嫌いぬいていましたから、王子の父親となる夫の国王の変わりに若い貴族の男性を受け入れる様に、王妃をリシュリューが口説き落としたと想像できるのです。
当時、パリには身持ちの悪いアンリ・ド・ナバールの私生児・・・全てルイ13世の異母兄弟・・・が数多く居たので、ブルボン家の血統を引く人材を捜す事に、苦労は無かったと推測されます。
リシュリューは、容姿に優れ、彼の意志に従順なブルボン家系の青年を容易に見つけ出し、窮地を抜け出るには他の方法は無いと王妃を説得したのでしょう。

 事実、少年時代のルイ14世は逞しく活動的で、父王であるルイ13世に少しも似ていないと、宮廷の中で噂されていた事実が存在します。

 この推論が正しければ、真の父親は海外、多分カナダのフランス植民地に送られ、やがて過去の経緯も忘れた頃を見計らい、若しくは今や全能の太陽王と成った息子、ルイ14世を頼って、フランスに戻って来たのではないでしょうか?
父親と息子は互いに、余りにも似すぎていた為、彼の出現は宮廷を困惑させ、王権自体を脅かす存在で在ったと考えられます。

 簡単な解決方法、即ち彼を暗殺する事は、おそらく問題外で有り、ルイ14世にしても自分の父親の殺害は阻止せざるを得なかったはずであり、結果、完全な秘匿、生活に一切の不住は無いものの、看守以外の人間からも一切隔離された生活しか他に手段は無かった・・・と思われます。

 囚人は生前のとおり、顔を知られず無名のまま死にました。
その素性は、死後もなお隠され、バスチーユで生涯を終えた者の例にもれず、彼は仮名で埋葬されました。
太陽王ルイ14世の父親であったかもしれないその人物は、“ウスタード・ドージェ:下僕”と記録されたのでした。

終わり・・・
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