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2011/07/13

人類の軌跡その147:ミステリー29 歴史の狭間①

<革命を呼んだネックレス>

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 歴史上で最も厚かましい、取り込み詐欺が始まったのは、1772年の事でした。
発端は、老王ルイ15世の愛人デュバリー夫人が、世界一高価なダイヤモンドを愛欲に目の眩んだ国王に強請った事でした。

 ルイ15世は彼女の言いなりでしたから、王室御用達の宝石商ベーメルに、ヨーロッパ中を探して、最も高価なダイヤを持参するように命じたのでした。
ベーメルは張り切ります。
彼は600個のダイヤを買い、そのダイヤを用いてネックレスに仕立てました。
こうして200万リーブル(現在の価格で700万ドル、6億3千万円)という、価格の面でも、見かけの悪さでも、目を剥く様な装飾品が完成したのでした。

 ベーメルは意気揚々と、ベルサイユ宮殿からの呼び出しを待っていました。
しかし、タイミング悪くルイ15世は、天然痘で崩御し、破産の危機が宝石商に迫っていました。
新王ルイ16世も、20歳に王妃マリー・アントワネットも、「スカーフの様な」外観のネックレスをひどく嫌っていたのです。

 ベーメルは、何年間もベルサイユに参内し、王妃に子供が生まれる度に、彼女が気まぐれを起こして、子供の洗礼用にと、ネックレスを購入してくれる様にと儚い望みを抱いていました。
しかし、王妃は1度も気まぐれ等、起こしませんでした。

続く・・・

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