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2011/07/14

人類の軌跡その148:ミステリー30 歴史の狭間②

<革命を呼んだネックレスその2>

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◎枢機卿と伯爵婦人

 マリー・アントワネットがそのネックレスよりも嫌っていたものは、少女時代の彼女の母、オーストリア女王の宮廷にフランス大使として駐在していたド・ロアン枢機卿でした。
彼女の嫌いなこの二つは、背俗臭が強く、不道徳と云う点で共通していました。
ド・ロアンの情事は、ヨーロッパに於いて知らない者は、まず居ませんでしたが、廷臣であると同時に教会の権力者として、彼は賄賂で私腹を肥やし、其れを殆んど愛人の為に費やし、王妃に嫌われている事を本人は、十分承知していたので、彼は王妃のご機嫌取りに懸命でした。

 自称伯爵夫人のジャンヌ・ド・ラ・モットが物語りに登場するのは、この時からで、彼女は旧姓をジャンヌ・ド・サンレミと云い、古いフランス王家バロア家の直系子孫とも云われていました。
夫のド・ラ・モット伯爵は一文無しの陸軍将校で、伯爵の称号が得られたのは、ひとえに女房の血筋のお陰でした。

 ジャンヌは、人を説いて如何なる事でも、信じさせてしまう不思議な能力が在ったと云い、彼女は王妃に影響力が在り、従ってド・ロアン枢機卿に対する王家の不興を解く力があると、あらゆる手段を用いて枢機卿に信じさせようと努めました。
物腰の柔らかなその説得は、数ヶ月間も続き、共犯者を使って王妃の筆跡を真似た手紙を何通も偽造し、マリー・アントワネットが枢機卿に対して、心を和らげたと見せかけました。

 其れから彼女は、愈々大仕事に取り掛かります。
マリー・アントワネットに良く似た少女を見つけ出し、枢機卿と偽王妃を、ベルサイユ宮殿内の暗い木立で、深夜に引き合わせる手はずを整えました。

続く・・・

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