<伝説の中国夏王朝その④>
◎女媧(じょか) 女媧は創造神とされており、「五色の石を練って蒼天を補った」、「黄土をまるめて人間をつくった」等様々な創造神話が存在します。
伏犧と女媧は男性神と女性神で同一神とみる説がある一方、伏犧の後が女媧で、女媧は制度をほとんど変えず笙簧(しょうこう)という楽器をつくったのみとする説話も在ります。
又、女媧の天下を狙って共工(きょうこう)が反乱を起こし、祝融(しゅくゆう)がこれを平定したという説話もある。
◎神農(しんのう) 農業の神で、鋤や鍬をつくり、その用法を教えたと伝えられ、百草を舐めて医薬を見つけ、八卦を重ねて六十四卦を創ったとも云われ、医薬や易者の神で在り、五弦の瑟(しつ。中国古代の弦楽器。箏(そう)の大きなもの。)を創り、人々に交易を教えたともされ、音楽と商業の神でも在るのです。
神農氏の天下は8代530年続き、彼の子孫が阪泉(はんせん)の野で黄帝と戦って敗れ天下を失ったと伝えられます。
◎黄帝(こうてい) 黄帝の黄色は、五行説では東・西・南・北・中央のうち、中央を示しており、黄土や黄河とも通じ、中原を意味する民族の代表が、黄帝であると考えられています。
之に対して、神農は南方の苗族を代表しているように思われ、更に蚩尤(しゆう)に代表される民族が説話に加わり、蚩尤は九黎の君と云われており、九つの黎族を統合して勢力と成ったものと思われます。
又、蚩尤は「初めて乱を起こし、平民に及んだ」との記述も見聞され、蚩尤と抗争していた神農の子孫は、黄帝に援助を求めたと考えられ、黄帝は涿鹿(たくろく)の野で蚩尤と戦います。
この時、蚩尤は大霧を作って黄帝軍に方向を狂わせ、この戦法に対して、黄帝軍は指南車を作って方向を知り、戦いに敗れた蚩尤は、命を落とします。
その後、黄帝と神農の子孫が、阪泉(はんせん)の野で三度戦い、黄帝が勝利を収めたと記述されています。
続く・・・
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