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2011/10/31

人類の軌跡その230:地中海文明の曙④

<エーゲ文明その④>

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◎聖なる洞窟

 クレタ文明に於いて、公共の神殿は建てられなかったと推定され、丘上の聖域や聖なる洞窟で、大地母神・獣神・狩猟の女神等、多くの神々を礼拝していたとみられます。
一部の礼拝所では、疾病を表したものや、治癒を願う手足や内臓を模った物が供えられており、疾病の治癒を祈とうしたものと考えられ、一般の家の神棚には、両手に蛇を持った女神の像が、しばしば祭られていました。

◎両刃の斧(ラブリュス)

 両刃の斧(ラブリュス)は、重要な宗教上の象徴で在り、黄金製で彫刻を施した高さ8.5cmの両刃の斧が、アルカロコリの聖なる洞窟に奉納されていました。
又、クノッソス宮殿地下室の角柱に、両刃の斧がデザインされ、ギリシャ神話では、ミノス王の宮殿はラビュリントス(両刃の斧の館)と表現されています。

尚、英語で迷宮や迷路を意味する labyrinth は、この語に由来しており、クレタ文明時代の宮殿は、後のミケーネ文明時代の宮殿と比べると、規模は大きいものの構造が、無秩序で安定感が無いと評価されています。

◎陶 器

 BC1900年頃に 轆轤 がクレタ島へ伝えられ、卵殻陶器と呼ばれる薄手で美しく装飾された陶器が作られました。この陶器は地中海東部で交易されたと推定され、キプロス島、レバント地方(シリア・パレスチナ地方)、エジプトからも出土しています。

 又、クレタ島の人々は、青銅や銅などの金属細工、宝石細工、ファイアンス焼(エジプトの陶芸技法)、象牙細工、石製の碗の製造に熟達していました。

続く・・・

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