人類の軌跡その242:半島の歴史①
<百済その①>

朝鮮半島の南西部に存在した、馬韓の一小国、伯済(はくさい・ペクジェ)が、周囲の小国を統合して支配下に置き、慰礼城(いれいじょう・現在の京畿道広州郡・後に漢山城へ移る)を都として、百済(くだら・ペクジェ)に発展しました。
伯済の国名は「魏志」韓伝に見え、百済の国名がはじめて現れるのは「晋書」の帝紀咸安二年(372年)正月の条で、このとき百済の近肖古王が東晋に朝貢しています。
346年は、近肖古王の即位の年とされています。(但し、近肖古王は、第13代目の王とされています。)
◎百済の建国伝説
高句麗の始祖である朱蒙(しゅもう)には3人の子があり、長男の類利(るいり)が高句麗を継いだので、弟の沸流(ふつりゅう)と温祚(おんそ)は高句麗を出て、自分達の国を建てようと南へ向かいますが、その時10人の臣下と大勢の農民が此れに従いました。
(「三国史記」別伝に由れば、沸流と温祚は朱蒙の実の子ではなく、朱蒙が生まれた東扶余の有力者の娘で召西奴の子としています。)
やがて漢山(かんざん・現在の京幾道広州郡)へ辿り着き、2人は臣下と共に負児岳(ふじがく)の頂に登り周囲を見渡すと、沸流は海の見える方向が気に入りましたが、10人の臣下は口を揃えて反対し、「其れよりも、此方の方です。北に江が流れ、東に山を控え、南は平野、西は海、こんな究竟な良い場所は在りません。都はぜひ、此方へお建てに成る事です。」と勧めましたが、沸流はどうしても聞着いれません。
農民達を半分に分けて、自分だけ海辺の方へ都を置く事に成りました。
この場所が弥鄒忽(みすこつ・現在の仁川)であり、弟の温祚は臣下達の意見に従って、漢山の慰礼城(いれいじょう・現在の京畿道広州郡)に都を定め、10人の臣下に因んで、国の名を「十済」と呼ぶ事にしました。
弥鄒忽は土地が湿っているうえ水が塩辛く、農民の苦労も多大なものでした。
沸流が弟の様子を見に慰礼城へ来てみると、何の不足もなく幸せに暮らしています。
自分を恥じた沸流は、それを苦にして病となり亡くなり、その後、農民達は慰礼城へ移り、人民が増えたので、国号を「百済」に改めました。
百済は、ここから領土を広げて大きく成っていきました。
(実際には、百済として大きな勢力となったのは、高句麗の建国よりも約400年後の事と推定されています。)
続く・・・

朝鮮半島の南西部に存在した、馬韓の一小国、伯済(はくさい・ペクジェ)が、周囲の小国を統合して支配下に置き、慰礼城(いれいじょう・現在の京畿道広州郡・後に漢山城へ移る)を都として、百済(くだら・ペクジェ)に発展しました。
伯済の国名は「魏志」韓伝に見え、百済の国名がはじめて現れるのは「晋書」の帝紀咸安二年(372年)正月の条で、このとき百済の近肖古王が東晋に朝貢しています。
346年は、近肖古王の即位の年とされています。(但し、近肖古王は、第13代目の王とされています。)
◎百済の建国伝説
高句麗の始祖である朱蒙(しゅもう)には3人の子があり、長男の類利(るいり)が高句麗を継いだので、弟の沸流(ふつりゅう)と温祚(おんそ)は高句麗を出て、自分達の国を建てようと南へ向かいますが、その時10人の臣下と大勢の農民が此れに従いました。
(「三国史記」別伝に由れば、沸流と温祚は朱蒙の実の子ではなく、朱蒙が生まれた東扶余の有力者の娘で召西奴の子としています。)
やがて漢山(かんざん・現在の京幾道広州郡)へ辿り着き、2人は臣下と共に負児岳(ふじがく)の頂に登り周囲を見渡すと、沸流は海の見える方向が気に入りましたが、10人の臣下は口を揃えて反対し、「其れよりも、此方の方です。北に江が流れ、東に山を控え、南は平野、西は海、こんな究竟な良い場所は在りません。都はぜひ、此方へお建てに成る事です。」と勧めましたが、沸流はどうしても聞着いれません。
農民達を半分に分けて、自分だけ海辺の方へ都を置く事に成りました。
この場所が弥鄒忽(みすこつ・現在の仁川)であり、弟の温祚は臣下達の意見に従って、漢山の慰礼城(いれいじょう・現在の京畿道広州郡)に都を定め、10人の臣下に因んで、国の名を「十済」と呼ぶ事にしました。
弥鄒忽は土地が湿っているうえ水が塩辛く、農民の苦労も多大なものでした。
沸流が弟の様子を見に慰礼城へ来てみると、何の不足もなく幸せに暮らしています。
自分を恥じた沸流は、それを苦にして病となり亡くなり、その後、農民達は慰礼城へ移り、人民が増えたので、国号を「百済」に改めました。
百済は、ここから領土を広げて大きく成っていきました。
(実際には、百済として大きな勢力となったのは、高句麗の建国よりも約400年後の事と推定されています。)
続く・・・
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コメント
人類の軌跡その242:半島の歴史①!
2011-11-16 05:57 四方續夫(しかたつぐお) URL 編集
Re: 人類の軌跡その242:半島の歴史①!
励みに成ります。
私のブロクは、可也固い内容なのか、コメント等を頂戴する機会が、殆ど在りません。
此れからも宜しくお願い致します。
2011-11-16 20:59 秋葉 奈津子 URL 編集