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2012/02/17

人類の軌跡その309:大航海以後のアメリカ大陸②

<アメリカの征服とヨーロッパの変容その②>

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◎大航海時代以前のアメリカ大陸その②


 アンデス高原には、メキシコとは無関係に独自に文化が開花します。
紀元前10世紀にチャビン文化、7世紀にアンデス高原一帯に都市を建設したティアワナコ文明、トウモロコシ、ジャガイモ栽培、家畜ではアルパカやリャマを飼育します。
この文化を継承する形で15世紀頃に成立したのがインカ帝国(タワンティン・スーユ)です。
首都クスコを中心とした道路網を整備し、中央集権的な国家を建設していました。
クスコの町に今も残る石積みの壁は、全く隙間が無くカミソリの刃一枚通らずない、高度な石造建築が残されていますが、このインカ文明は、文字を知りませんでした。
但し、文字の代わりにキープと呼ばれる記録方法を用い、縄を結んでコマをつくり、その結び目の形や数で数字を表しました。
主たる目的は、税の徴収を記録する為と思われます。

 メキシコ高原のマヤ、アステカ、アンデスのインカに共通するのは、基本的に是等の文明は孤立し、高度な石造建築術や複雑な暦法を創造しているにも関わらず、旧大陸で当たり前の物を知りませんでした。
例えば金属に関して、金、銀、青銅は利用しているものの鉄器を知らず、更に興味深いのは車輪を知りませんでした。
更にコロも使われた痕跡が無く、巨大な石材を如何にして輸送したのか現在も不明です。
動物では馬が原生して居ないので当然ですが騎馬を知らず、マヤ人達はスペイン人の乗馬姿を見て、その姿を一つの動物だと思ったと伝えられています。
鉄器も持たず、馬に乗る事も無いアメリカ先住民達が、スペイン人が侵入した時、簡単に征服された事実は、ある意味、当然かもしれません。

 トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、トマト、唐辛子、アメリカ大陸原産の農作物で、トウモロコシやジャガイモは旧大陸にもたらされ、瞬く間に世界中に広がります。
特にジャガイモは、寒冷で痩せた土地でも収穫が可能な為、世界中で多くの人を飢餓から救う事と成りました。
唐辛子もアメリカが原産地です。
コロンブスがアメリカ大陸をヨーロッパ人として確認した年が、1492年。
その百年後、豊臣秀吉の朝鮮出兵が行われますが、この時に秀吉の軍が朝鮮にもたらしたのが唐辛子だと伝えられ、百年間で唐辛子は地球を一周しています。
反対に病気では梅毒が在り、アメリカにのみ存在したのですが、コロンブスが早速ヨーロッパに持ち帰り、日本で初めて梅毒の記録が現れるのが1512年です(!)。

続く・・・


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