人類の軌跡その314:大航海以後のアメリカ大陸⑦
<アメリカの征服とヨーロッパの変容その⑦>

◎ヨーロッパの変貌
ポルトガルによるアジア貿易と、スペインのアメリカ植民地支配の結果、ヨーロッパ社会は大きく変化していきました。
1)商業革命
大航海時代以前、イタリアを中心とする地中海貿易圏が、ヨーロッパ商業・経済の中心でしたが、ポルトガル、スペインの活動により、両国を中心とする大西洋岸に移動。
現在のベルギーとオランダは、当時ネーデルラントと呼ばれ、スペイン領土の一部でしたが、ネーデルラントは現在のドイツ、イギリス、フランスに近く、商業の中心として成長して行きました。
2)価格革命
アメリカから大量にもたらされた金銀が、西ヨーロッパにインフレーションを起こします。
金銀の流入が増加しその価値が低下、反対に商品の値段が上昇しました。
アメリカの金銀は、奴隷労働で採掘している為、その採掘費用は極めて少なく、その金銀がスペインやネーデルラントから西ヨーロッパ全体に流入し、西ヨーロッパ地位がアメリカから略奪した富によって豊かに成りました。
商人の中には莫大な富を蓄えるものが現れ、農民でも富農が誕生し、中世以来の封建的な身分制度を急速に変化させて行きました。
3)国際分業の成立
ネーデルラントは毛織物業が盛んな地域で、スペインの窓口として商業の中心に成り、この地域と経済的に繋がりの深いイギリス、フランス等西ヨーロッパで商業、工業が発展して行きます。
一方、東ヨーロッパでは、西ヨーロッパの工業地帯に輸出する為、穀物や原材料を生産する事が主要な産業に成り、輸出穀物は安い程売れる為、安く穀物を生産する為には、農民の地位が低い方が好ましく、東ヨーロッパではこの頃から農奴制が強化され、領主達は農民の権利を押さえ込んでいきます。
アメリカ植民地の存在は、国際貿易の環を形成し、東ヨーロッパが穀物、原材料の供給地と成り、西ヨーロッパはこれ等を利用して工業を発展させ、毛織物等の製品を東ヨーロッパやアメリカ大陸に輸出します。
アメリカ大陸では、インディヘナや黒人奴隷の手により、金・銀・砂糖等が生産され、西ヨーロッパを更に豊かにすると共に、アメリカ、アフリカでは資源や人間そのものが収奪され、伝統的な社会が破壊されて行きました。
この商品の流れの中で主導権を握り、最も繁栄するのは西ヨーロッパで、他の地域には、その役割を押し付け続けて行く事に成ります。
アメリカの征服とヨーロッパの変容終わり・・・

◎ヨーロッパの変貌
ポルトガルによるアジア貿易と、スペインのアメリカ植民地支配の結果、ヨーロッパ社会は大きく変化していきました。
1)商業革命
大航海時代以前、イタリアを中心とする地中海貿易圏が、ヨーロッパ商業・経済の中心でしたが、ポルトガル、スペインの活動により、両国を中心とする大西洋岸に移動。
現在のベルギーとオランダは、当時ネーデルラントと呼ばれ、スペイン領土の一部でしたが、ネーデルラントは現在のドイツ、イギリス、フランスに近く、商業の中心として成長して行きました。
2)価格革命
アメリカから大量にもたらされた金銀が、西ヨーロッパにインフレーションを起こします。
金銀の流入が増加しその価値が低下、反対に商品の値段が上昇しました。
アメリカの金銀は、奴隷労働で採掘している為、その採掘費用は極めて少なく、その金銀がスペインやネーデルラントから西ヨーロッパ全体に流入し、西ヨーロッパ地位がアメリカから略奪した富によって豊かに成りました。
商人の中には莫大な富を蓄えるものが現れ、農民でも富農が誕生し、中世以来の封建的な身分制度を急速に変化させて行きました。
3)国際分業の成立
ネーデルラントは毛織物業が盛んな地域で、スペインの窓口として商業の中心に成り、この地域と経済的に繋がりの深いイギリス、フランス等西ヨーロッパで商業、工業が発展して行きます。
一方、東ヨーロッパでは、西ヨーロッパの工業地帯に輸出する為、穀物や原材料を生産する事が主要な産業に成り、輸出穀物は安い程売れる為、安く穀物を生産する為には、農民の地位が低い方が好ましく、東ヨーロッパではこの頃から農奴制が強化され、領主達は農民の権利を押さえ込んでいきます。
アメリカ植民地の存在は、国際貿易の環を形成し、東ヨーロッパが穀物、原材料の供給地と成り、西ヨーロッパはこれ等を利用して工業を発展させ、毛織物等の製品を東ヨーロッパやアメリカ大陸に輸出します。
アメリカ大陸では、インディヘナや黒人奴隷の手により、金・銀・砂糖等が生産され、西ヨーロッパを更に豊かにすると共に、アメリカ、アフリカでは資源や人間そのものが収奪され、伝統的な社会が破壊されて行きました。
この商品の流れの中で主導権を握り、最も繁栄するのは西ヨーロッパで、他の地域には、その役割を押し付け続けて行く事に成ります。
アメリカの征服とヨーロッパの変容終わり・・・
スポンサーサイト
コメント