2012/05/17

人類の軌跡その378:フランス革命・ブルボン王朝の終焉①

<フランス革命①>

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Madame de Pompadour:1721年12月29日 ~ 1764年4月15日

◎革命前夜のフランス

 イギリスの名誉革命、アメリカの独立革命は、共に市民が権力を掌握する政府を樹立しました。
従って、是等の革命を市民革命と云い、産業を担う市民達が、経済の他、政治をも動かす様に成り、国家の形態も合理的に成ります。

 一方、イギリスの宿敵フランスは、古い社会制度のままでした。
このフランスの社会制度をアンシャン=レジームと云い、「旧制度」と訳します。
アンシャン=レジームを代表するのが身分制度で、三つの身分に分かれ、第一身分が聖職者、第二身分が貴族、第三身分が平民でした。
第一身分と第二身分が特権階級、平民には、都市の商工業者、職人、農民などが含まれ、都市の商工業者は、所謂市民階級です。
経済的には力を持ちはじめていましたが、身分的には一番下に位置し、この身分制度に対しての不満は大きなものが在りました。
 
 更に、第一身分である聖職者は14万人、第二身分の貴族は40万人、第三身分の平民は2600万人でした。
人口の僅か3%の勢力しかない、圧倒的少数の第一身分と第二身分が、国土の40%を領有して、各種の特権を行使していました。
最大の特権は、免税特権で在り、彼等は莫大な資産を保有しながら、納税義務が無く、納税負担は総て、第三身分に押しつけられていたのでした。

 特に、農民の暮らしぶりはかなり悲惨で、当時イギリス人のアーサー・ヤングがフランスの農村を旅行した際、老婆と思った女性が28歳と知って驚いたと書き残しています。

 特権階級である貴族達は、アンシャン=レジームをどのように考えていたのでしょうか。
ルイ15世の愛人、ポンパドゥール夫人は、「我らの後に洪水は来れ」と云う言葉を残しています。
その意味は、ヨーロッパ人が洪水と言えば、旧約聖書に書かれたノアの箱船の洪水を意味しています。
神を忘れて、堕落した生活をおくる人間を見て、神は人類を皆殺しにして消し去ろうと考えました。
只、ノアと云う男だけが、神に深い信仰を持ち続けていたので、この男とその家族だけは助けてやろうと考え、神はノアにお告げを与え、大きな箱船をつくらせました。
やがて、神は大洪水を起こし、他の人間は、根絶されましたが、箱船に乗ったノアとその家族、諸々の動物達だけが助かった、というお話です。

 ここで洪水とは、神があたえる天罰、それによって人間は滅ぼされるお話ですが、ここで、ポンパドゥール夫人が、洪水という言葉を使っているのは、自分達貴族が平民達を犠牲にして、贅沢三昧な生活を続けている事に対して、神の罰がくだるだろうと自覚しているわけです。
堕落した生活だと分かっていますが、その快楽から逃げる事が出来ない、何れ天罰が下る時が来るのですが、「神様、罰を与える時は私が死んだ後にして下さい」と云う気持ちが、「我らの後に洪水は来れ」と云う言葉に表現されているのです。
貴族にも、アンシャン=レジ-ムの身分制度が時代遅れで此の侭ではいけないと、理解していた人物も存在していました。

続く・・・


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