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2012/06/05

人類の軌跡その394:ナポレオンの生涯③

<ナポレオン・ボナパルトその③>

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『アルプス越えのナポレオン』

◎ナポレオンの登場その③

 ナポレオンの大活躍はここから始まります。
イタリア遠征に出発する直前に、ナポレオンはジョセフィーヌと結婚してから、遠征に出かけました。
ナポレオン軍はイタリアで、連戦連勝でした。
ナポレオンは、遠征軍の兵士に向かってこの様な演説をしています。

 「攻勢に出よう。武器も食糧も敵地にある。敵領の民衆を圧政から解放しよう!われわれは革命軍なのだ」
 ナポレオンは、イタリアの封建制度を撤廃し、イタリアの民衆にフランスと同じような「自由」「平等」を与えよう、と言っているのです。
この当時、ヨーロッパでフランスだけが、革命によって封建制度、身分制度が撤廃され、市民による政府が成立していますが、イタリアも含めて、それ以外の地域では、封建制度が続き、平民階級、つまり農民や市民は、貴族・領主によって政治的にも経済的にも抑圧されているのです。

 フランスと同じ様に、イタリアの平民も、封建制度は否定的です。
貴族や領主の支配を覆したいと思っていますが、イタリアの封建領主階級の力はまだまだ強く、更にその後方にはオーストリア軍が控えており、自力で革命を起こす事は不可能に近いのです。
そこに、ナポレオン軍が来て、オーストリア軍と戦い、フランス軍が占領した地域の封建制を無くすと云う。
「敵領の民衆を圧政から解放しよう」と云うのは、この様な意味で、ナポレオンは、フランス革命をイタリアでも実行すると云っているのです。

 イタリアの民衆は、歓喜でフランス軍を向かえ、その状況は、イタリアは「敵地」ではなく、逆にイタリアを抑圧しているオーストリア軍が、イタリア人からは憎まれています。
地の利はフランス、ナポレオンに在り、遠征地の住民の協力が在る為、兵士や馬の食糧も、簡単に現地で調達できます。
「武器も食糧も敵地にある」は、その事を指しています。
物資の現地調達が可能な為、部隊の装備は、オーストリア軍に比べて軽装で、荷物が軽い事は、移動速度が速い事を意味します。
ナポレオン軍は、オーストリア軍の予想を超えるスピードで部隊を集結させて、打撃をあたえることが出来たのです。

 最終的に、ナポレオンが率いるイタリア遠征軍に敗北したオーストリアは、フランスと和約を結び、これによって、第一回対仏大同盟は崩壊しました。

 フランスではナポレオン人気は急上昇し、英雄に成ります。
ナポレオン自身も自分の軍事的、政治的な才能に自信を持ちはじめ、フランスに戻ったナポレオンは、自らエジプト遠征と云う新しい軍事作戦を提案します。


続く・・・
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