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2008/10/25

「ある街角の物語」

「ある街角の物語」(虫プロダクションの実験作品)

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 この作品は、僅か39分の小品ですが、之こそ、手塚治虫の永年のアニメへの夢の実現第一号です。
私がこの作品を見る事が出来たのは、学生時代、映画研究会の合同サークルの時のたった一度ののみです。
 作品の存在は、文献等で知っていましたが、なかなか実写を見る機会に恵まれませんでした。
当時の記憶を辿ると、他に見た作品の事は、曖昧ですが「ある街角の物語」は、強烈なインパクトを持って、記憶されました。

<製作スタッフ>

原案、構成、製作:手塚治虫

演出:山本暎一、坂本雄作

音楽:高井達雄

美術:新井亮

原画:山本暎一、坂本雄作、紺野修司、杉井儀三郎、石井元明、中村和子

動画:林重行、山本繁、桜井百合緒、野木行雄、沼本清海、三浦津菜子、光山勝治

仕上:白川成子、松本和子、渡辺千津子、進藤八枝子、大野静子、鶴田淑子、松本節子、松本双葉、大内充子

背景:半藤克美、大脇章子

撮影:広川和行、佐倉紀行

編集:山本暎一

録音:太田千里、宮本隆

進行:川畑栄一

事務:今井義章、秋山記久恵

演奏:虫プロシンフォニック・オーケストラ

効果:泉司郎

<物語>

 何処かの国の街角、その壁に貼られた無数のポスター。
ポスターの青年バイオリニストとピアニストの少女との清らかな恋。
平和な街にやがて、戦火が迫り、愛し合う2枚のポスターは、爆撃の火災の中に、共に燃え尽きながら結ばれる。

 彼等を巡って、ネズミの一家、老いたプラタナス、消えかかりの街灯、ひねくれ者の蛾、街角の屋根裏に住む少女とぬいぐるみの熊、そして、街を覆いつくす独裁者のポスター等が、入り乱れ巧みにかみ合いながら、物語の大きなクライマックスに進んで行く。

 この物語に登場する人物等は、いわゆる見慣れた手塚キャラクターでこそ無いが、作品は本質的に手塚治虫のタッチで、完成していました。

 あの軽快な「アトム」のテーマソングを作曲した、高井達雄は、ここではポスターの主題、ひいては、自由と平和と愛の主題と言えるシャンソン風の覚えやすい、楽しいメロディーを創って、演出を盛り上げています。

 この作品は、この高井メロディー抜きには批評できない程、これ程、音楽が重要な役割を果たしたアニメーション作品も日本最初と言えると思います。
そして、この「ある街角の物語」は、やがて、手塚治虫と虫プロダクションが作り上げる「千夜一夜物語」や「クレオパトラ」等、大きな話題を呼んだ、2時間前後の超大作よりも、遥かに手塚治虫その人の作品らしさを備えていた、と私は今でも、思っています。

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