2012/07/03

人類の軌跡その418:産業革命と社会運動④

<産業革命その④>

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未成年労働

◎産業革命の波及

 労働者に多くの負担を強いながらも、産業革命によりイギリス経済は発展していきます。
安い商品の大量生産が可能と成ったイギリスは、他国よりも優位に立ち、やがて世界経済の覇権を握る事に成ります。

 イギリスの後を追い、他の諸国でも産業革命が始まります。
ベルギー、フランスは1830年代、ドイツでは1850年代に産業革命が始まり、一番遅れて産業革命をおこなったのが、ロシアと日本で1890年代、この時期迄に、産業革命を経た国は、20世紀初頭には列強として植民地獲得競争に乗り出します。
産業革命を経験しなかった国や地域は、植民地、半植民地として資本主義国の利益の為に搾取され、従属的な位置に押し止められる事に成ります。

 アジア、アフリカ諸国は、こうして世界経済の中で従属地域と成って行くのです。

◎イギリスで産業革命が起きた理由

1、イギリスでは17世紀にピューリタン革命、名誉革命という二つの革命をおこない、封建領主など古い特権を持った勢力が既に存在しなかった事により、自由な生産活動が可能に成っていた事。

2、綿織物工業が発展する以前から、イギリスでは毛織物工業を中心に工場制手工業(マニュファクチュア)が発達していた事。

3、植民地貿易の利益が蓄積されていた事(資本の蓄積)。

4、第二次囲い込みにより、多くの農民が、都市へ流入し、これが豊富な労働力の供給源に成った事。

◎最期に…家族と時間

 産業革命が、生活の深い処にもたらした影響を述べておきます。

 歴史の教科書には、次の様な記述に良く出会います。
「…家族のあり方にも変化をもたらした。夫の賃金労働が主となり、妻の労働は補助収入のためとみなされ、賃金を得られない家事労働は低く見られるようになった」
さりげなく書かれていますが、実に含蓄のある文章です。

 産業革命以前の労働は、農業が中心で、家族全員で働き、夫も妻も子供も一緒です。
誰が何をしているのか、皆が知っています。
処が、産業革命後の労働者の家庭では、夫だけが工場に働きに行き、何を行っているのか、妻や子供には見えません。
家族の結びつき方が、それまでとは全く違ったものに成りました。
家事労働が低く見られる様に成ったと云う事は、女性の地位が低く成ったと云う事で、これ等は、産業革命以後の変化だと云っているのです。

 人間の生活が時計によって縛られる様になったのも産業革命以後の事です。
労働者にとって、出勤時間や労働時間など、時間によって一日が区切られ、拘束される様に成り、労働時間は自分の時間ではなく、労働時間が終わって、やっと自分の時間が始まる様に、時間によって生き方が分割される様になりました。
現代に生きる我々も、細切れにされた時間の中で生きています。
それ以前の人間は、時計等は必要なく、時間を気にせずに毎日を過ごしていたのです。

 家族関係や時間意識の変化は、歴史の年表に載る様な事件ではないので、余り意識しません。
しかし、当たり前と思っている常識や感覚も歴史の中で作られたもので在る事を知っておく事は大事と思います。

続く・・・


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