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2008/11/03

手塚治虫先生生誕80周年

火の鳥・少女クラブ版

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今日は、手塚治虫先生の生誕80周年です。
今回、ご紹介する「火の鳥・少女クラブ版」は、時代、背景の設定が、以後の作品と全く異なる、独立した火の鳥です。

『火の鳥』少女クラブ版
エジプト編 少女クラブ 1956年5月号~10月号   
ギリシャ編 少女クラブ 1956年11月号~1957年7月号
ローマ編  少女クラブ 1957年8月号~12月号   

さすがのこの時代には、私もこの世に居りません。
シリーズ番外編、西洋を舞台にした少女漫画版『火の鳥』です。

<物語>
エジプト編
 紀元前のエジプト。
王子クラブは病に伏せた王の命を救う為、火の鳥を捕獲しようとエチオピアへの旅に出かける。
奴隷の少女ダイアは、王妃の陰謀を知った事から捕らえられるが、逃走し、王子の一行に巡り会う。
一行は嵐にあうが、その中で、火の鳥の卵をクラブとダイアが守った事から火の鳥の親に感謝され願を聞いてくれることになり、火の鳥を母国に連れて帰る。 

 しかし、王の死には間に合わず、クラブとダイアが火の鳥の血を飲む事になるが、2人の婚礼と即位式の最中、謀反にあい、クラブは傷を負って川に落ちる。
昏睡状態になったクラブを追って、ダイアも自ら傷を負い眠りに入る。
二人の体はナイル川の氾濫で川を流されていく。
火の鳥は卵が孵り、子のチロルが誕生すると、3匹の動物、ノロ、ヨタ、ポポに子を託し、自らは燃え尽きて死ぬ。(火の鳥の世代交代)

ギリシャ編
 ナイル川の河口を流れていたダイアはトロイの軍船に拾われ、息を吹き返す。
一方クラブはスパルタ国の海岸に打ち上げられ、スパルタの兵士の下へ身を寄せる事になる。
偶然の巡り合わせで二人は再会を果たすが、記憶を失っていた為、相手の事が判らない。
しかし、お互いの絆を強く感じ合い、二人は惹かれ合う。
二人は行動を共にするようになるが、戦乱の中、ダイアは傷つき息絶える。(眠りにはいる)
ダイアが死んだものと思ったクラブはダイアの体と共に海に身を投げる。

ローマ編
 それから300年後のローマ。
二人はパン屋の主人に引き取られていた。
時のローマ皇帝の王子はダリアを見初め、宮中に連れていこうとするが、反抗したため、クラブ共々ダリアは宮中に拉致されてしまう。
奴隷小屋でダリアは火の鳥の話を聞く。
王子の出す難関を突破したダリアは1週間の猶予を得て火の鳥を探しに行き、ダリアに再会した火の鳥はダリアとともにローマに赴く。
ローマ王子は毒をクラブに盛ろうと企むが、誤って自分が飲んでしまい、クラブとダリアは解放される。
 
<注記>
 漫画少年廃刊後、2度目に書かれた話です。
舞台設定こそ地中海世界に変わっていますが、火の鳥の設定や3匹の動物の登場など、基本的なプロットは漫画少年版黎明編を周到しています。
全集のあとがきによれば、当時立て続けに公開されたハリウッドの史劇映画に魅せられて、あのようなものを描きたかったということで、きらびやかな印象が残ります。

 私の不勉強か、最初、「クレオパトラ」「十戒」「ベン・ハー」「スパルタカス」等の作品が、該当するのかなと思ってましたが、何れも1959年以降の作品なので違いますね。
この1950年代中場のハリウッド作品なら、「エデンの東」「ジャイアンツ」「王様と私」「戦場に架ける橋」と言った作品です。
唯一考えられるのが「クオ・バディス」、他に知っている方が、居られたらぜひ教えてください。

 ギリシャ編の連載6回目(1957年4月号)は、50頁の別冊付録として発表されました。(毎月の連載は平均7ページ)
この為、当時としては50ページという大量の枚数をこなすにはかなりのハードスケジュールだったようで、(手塚先生がノイローゼになり逃避行したらしい)全集のあとがきによると、他の人の代筆もかなり入っているようです。
戦場の場面などは松本零士さんの筆によるコマもあるそうです。

 古い作品ですが、本当にハリウッド全盛期のスペクタクル映画を見るような、そしてエジプト、ギリシャ、ローマと時代の流れを感じる事の出来る、もうひとつの「火の鳥」と思います。

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