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2013/01/03

歴史のお話その1:メソポタミア文明①

<メソポタミア文明①>

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◎シュメール人

 世界で最初に生まれた文明とされているのがメソポタミア文明です。
紀元前3500年頃には都市国家が成立し、文明を形成したと考えられます。

 メソポタミアは、川の間を意味し、ティグリス、ユーフラテスの二つの川に挟まれた地方を指しており、現在の国名はイラク共和国です。

 このメソポタミア地方の川下、河口付近に初めての文明が発生します。
この文明を創り上げたシュメール人は、現在でも民族系統不明の民族なのです。

メソポタミアに最初に文明が生まれた理由は、農業生産性が非常に高く、麦と羊の原産地であり、麦の収穫量が非常に高かったのです。
1粒の麦を播いて、20倍から80倍の収穫があったと云われています。

 この数字の意味する処は、19世紀のヨーロッパで麦の収穫は播種量の5、6倍程度、現代でもヨーロッパで15倍から16倍、アメリカで23倍と云う数字があります。
現代と同等かそれ以上の収穫が在り、収穫が多ければ、当然生活にも余裕が生まれ、その余裕が後世に残る文明を生み出したのだと思われます。
因みに、日本の米は、江戸時代は30倍から40倍、今は110倍から144倍なのです。

 シュメール人はメソポタミア地方に多くの都市国家を築きました。
ウル、ウルク、ラガシュ等の都市が現在迄伝わっているものの、都市国家間の抗争が激しく、統一国家が形成される事は在りませんでした。
政治形態は、神殿を中心に神権政治が中心と推定されています。

◎シュメール人の文化

1、暦(こよみ)、世界初の暦であり月の満ち欠けで、年月を測る太陰暦。
2、数字は60進法、現在も残る時間計測。
3、土器は彩文土器。
4、文字は、くさび形文字を発明。
紙がまだ存在しない時代、粘土板に葦を切ったものでくさび形に字を刻み込んでいきました。
シュメール人が歴史から消えた後も、メソポタミア地方では長い間この文字を使用します。

 シュメール人の時代から二千年程後、アケメネス朝ペルシアが大帝国を形成しますが、この国もくさび形文字を使用しており、ダレイオス大王が、自分の功績を刻んだベヒストゥーン碑文を残しました。
これは三つの言語をくさび形文字で刻んだもので、くさび形文字解読のきっかけとなった重要な碑文です。
19世紀、解読したのはイギリス人ローリンソンですが、この碑文は地上100メートル以上の絶壁に刻まれ、ローリンソンは命がけで碑文を模写しました。

 最後に印章、これもシュメール人の発案です。
円筒印章と呼ばれ、絵が刻まれており、これを粘土の上で転がすと長い絵が浮かび上がります。
円筒印章は中心にひもを通して首に懸けるように成っており、これを身につけているのが高い地位の象徴と成されていた様です。

メソポタミア文明・続く・・・


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