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2013/01/10

歴史のお話その8:エジプト文明①

<エジプト文明①> 

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◎「エジプトはナイルの賜物」

 エジプトでは紀元前5000年頃に農耕が始まり、紀元前2700年頃には統一王朝が成立します。
エジプトは周囲を砂漠に囲まれている為、メソポタミアの様な激しい民族の侵入や王朝の興亡は少なく、独特の文化を築きます。
 
 エジプトが文明を持ったのは、ナイル川と云う自然に恵まれた結果でした。
ナイル川が毎年もたらす肥沃な土壌と水が、エジプトの豊かな農業を可能にしました。
毎年ナイル川の定期的に発生する洪水で、上流から肥沃な土壌が流れてくる為、自然の力だけで地力が維持できるのです。
重要な事は、洪水が引いていく時に水の管理が、厳格に行えれば問題はありませんでした。

 「エジプトはナイルの賜物」、紀元前5世紀、ギリシアの歴史家ヘロドトスの言葉は有名です。
エジプトの衛星写真を見るとナイル川に沿った縁の部分が緑になっており、流域から少し外れると砂漠が広がっています。
 
 エジプト文明を形成した人々はハム系に属する言語系統で、現在のエジプト人はハム系の流れも汲んでいますが、アラブ人と混じり合っており、彼等自身もアラブ人であると自覚しています。

◎エジプトの文化

 エジプトの暦は太陽暦、1年365日です。

 ナイル川はティグリス・ユーフラテスの様に不定期な大洪水は発生しません。
1000キロ以上上流のエチオピア高原に降ったモンスーンの雨でナイル川は増水し、毎年決まった時期に同じ様なペースで水嵩が増していきます。
エジプト人は何時ナイル川が増水するか、最大の関心事であり、その時期に合わせて農耕の準備をするのです。

 神官達は、天体を観察しながら、ナイル増水の時を調べました。
7月中旬の明け方の東の地平線すれすれに、大犬座のシリウスが一際輝く時が在り、ちょうどその時からナイルが増水する事が解っていました。
翌年同じ場所にシリウスが輝く迄が365日、又その時にナイル川の増水が始まるのです。

 この様に形成された暦が太陽暦ですが、正確には太陽の動きでは無く、洪水周期かシリウスの周期運動暦なのですが、この暦が古代ローマ帝国からヨーロッパに伝わり、今日世界的に使われている暦の原型に成りました。

 1日を24時間と定めた文明もエジプトです。
エジプトは10進法で、初期には昼と夜をそれぞれ10に分けて20でしたが、昼と夜の境界の時間をそれぞれに付け加えて24にしたと云われています。

エジプト文明・続く・・・

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