2013/02/05

歴史のお話その30:古代ギリシア③

<古代ギリシアの社会③>

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マラトンの戦いに於ける重装歩兵

◎アテネの歴史1・貴族政治と富裕平民の台頭

 ギリシアの代表的なポリスであるアテネを通して、ギリシアの歴史を見て行きたいと思います。
大きく分けて、アテネの政治は貴族政治、財産政治、僭主政治、民主政治の順番に進んで行きます。

1)貴族政治

 紀元前8世紀頃、記録に残っている当時、既に王では無く貴族が政治を担っています。
海外貿易が盛んに成り、貨幣経済が進展するに従って、平民の中に非常にも富裕層が形成され始めます。
この富裕層に属する平民達が、やがて重装歩兵としてポリス防衛戦争に出陣するように成りました。

 重装歩兵とは何か。
当時のギリシア人にとってポリスを守護する為の戦争に出陣する事は、非常に名誉な事でした。
この時代は戦争に出向くのは貴族でした。
貴族は騎兵ですが、馬は維持費が掛かります。
しかし、富裕層の中間に入った平民も名誉ある戦に出陣する様になります。
その時の兵種が重装歩兵で、青銅の兜に丸い盾、足にはすね当てを付け、鎧は革製、武器は鉄の穂先の付いた槍です。
鉄は当時、まだまだ高価で、武具も全部自ら注文する物なので、財政的に余裕が無ければ、この様な装備を所有する事は出来ません。
装備を持たない者は戦場で何も出来ないので、戦争に行く権利が無く、この事を「武器自弁の原則」と呼びます。

 金持ち平民達が武具を揃えて出陣し、貴族と対等にポリス防衛に活躍する様に成れば、当然ながら「貴族と同様に市民の義務を果たしているのだから、参政権を与えよ」と、要求する結果と成ります。民主政治始まりの第一歩で在り、戦争の戦術も貴族の騎兵中心から、重装歩兵に比重が移りました。

 歩兵は一列8人が8列で方陣を組み、彼らは密集隊列を組む訳です。
これを密集隊、ファランクスと呼び、2メートル以上ある槍を前方に突きだして敵の部隊に向かって突進する訳です。
敵軍も同様に突撃する為、密集隊列どうしがぶつかり会う訳ですが、前の列の兵士が倒れたら後ろの列の兵が前に出てその穴を埋め、何度も突撃を繰り返すのです。

 実際の戦闘に若し参戦した場合、その恐怖は凄まじいものと思いますが、密集隊列の中の兵士が歩調を乱したり、列から逃げてしまったら隊列が崩れ、その場所を突撃されたら負けてしまいます。
従って、兵士一人ひとりが「ここで自分が怖じ気づいたら負ける、共に隊列を 組んでる仲間が死んでしまう、だから逃げられない」、という意識を持っている方が強いのです。
連帯感、団結力、共同体意識、その様な意識が強い部隊なら、兵力が同様で在れば勝利できるのです。

 兵力は多い方が良いに決まっており、平民には従軍して欲しいが、政治の独占を崩されたくもない。
余談ながら、貴族の騎兵も実は戦場に行く迄は騎乗ですが、戦場に着いたら馬から下りて密集隊列を組みます。
その結果、平民と貴族が同じ隊を組む事が、当然在ると思われます。

 密集隊列を組むのは密度が高い方が、攻撃力が増す以上に、防御力も増します。
兵士は左手に丸い盾を持ち、盾の裏側の真ん中に皮の輪が付いていており、ここに肘を通し、端に握りが在ってここを握ります。
肘全体で盾を支える様に成り、これで左半身を守って右手で槍を持のですが、自分の右半身はぴったりと密集して並んでいる、右横の兵士の盾の左半分が防御しています。
その為、密集している程自分が安全で、そのままの隊形で前進して行きます。

 ところがこの隊形の弱点は一番右側の列、右端の兵士は、自分の右半身を無防備に露出させています。
結果的に、最前列の最右翼は一番危険な位置で、死亡率も高い筈で、重装歩兵達はこの最前列最右翼に立つ事を嫌がらず、この位置を占める事は、心身共に最強と誰もが認める人物で、栄誉ある位置なのです。
「俺はあの戦の時、最右翼だった」と子や孫に大いに自慢できますが、自分の命よりもポリスの為に尽くすことを大切に考える、その様な世界だったのです。

 重装歩兵で活躍する平民の参政権要求を認める前に、貴族達は政治改革を行なって平民の不満を鎮めようとしました。
これがドラコンの法(紀元前621年)、「慣習法の成文化により貴族の横暴を防止」を試みたと説明されていますが、現代の情報公開で在り、貴族が独占していた政治、法律情報を平民に公開したのです。

古代ギリシアの社会・続く・・・

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2月5日は、ジロくんの誕生日、7歳になりました。

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コメント

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No title

こんにちは
昨日はジロくんの誕生日だったんですね。おめでとうございます^^
7歳ですか、まだまだ若い!
これからも病気をせずに元気で
長生きしてもらいたいですね。