2013/02/11

歴史のお話その35:古代ギリシア⑧

<古代ギリシアの社会⑧>

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◎スパルタの国政

 スパルタはアテネと並ぶギリシアの大国(ポリス)ですが、アテネを規範とした民主政は発達せず、ギリシア世界の中でも特殊な国造りをしました。

 スパルタには三種類の身分が存在し、最上位が支配者であるスパルタ人で在り市民です。
その下にペリオイコイと呼ばれる階層が在り、この階層は軍事的兵役義務は在りますが、参政権が無く、不完全市民です。
最下層がヘイロータイ、事実上の奴隷身分です。
ヘイロータイが農業に従事します。
スパルタは広い領土を所有しており、割合に平地も多く、この農村に住んでいる人々が奴隷身分のヘイロータイです。
スパルタがアテネ等と比較して特異な点は、この奴隷の人口が非常に多いことでした。

 アテネの市民は18万人、奴隷が11万人、市民の方が多いですね。
スパルタは、市民が2万5千人。奴隷が20万人、圧倒的に奴隷人口の方が多いのです。
この奴隷が団結して反乱を起こせば、2万5千人では対抗する術は無いに等しいのですが、スパルタ人は非常に単純な答えを出します。
スパルタ人一人ひとりが強い戦士になり、ヘイロータイを常に恐怖を与えること。
そこで、スパルタ人は幼い時から非常に厳しく子供を育てました。

 出生すると、ここからスパルタ式教育が始まり、長老が生まれた赤ん坊を五体満足か?健康に育ちそうか?調べるのです。
障害や虚弱が在る場合、タイゲトス山に捨てて育てません。
7歳になると男の子は、親元から引き離されてみんな合宿所に入れられ、男ばかりの集団生活が始まります。
この合宿生活は、30歳迄続きます。

 30歳になると家庭生活が許されますが、やはり夕食は個人の家で食べません。
男達が集まって、共同で食事をします。
これを行わないと市民の資格を奪われてしまいますので、スパルタでは一家団欒の夕食は存在しません。

 この様な生活を行いながら、肉体を鍛えていきます。
男達同士の団結はものすごいもので、お互いみんな気心が知れあっており、これが密集隊を作って戦場に出てきたら他のポリスは太刀打ちできません。
スパルタ陸軍はギリシア最強でした。

 成人の儀式ではこの様な話も伝えられています。
スパルタの少年は13歳位で成人の儀式を迎え、その年齢になった少年は短剣一本だけを渡されてスパルタの町を追い出されます。
金も食糧も何も持たせずに1年間放浪の旅をしなければ成りません。
食糧調達は、奪うこと!
具体的には近郊には農村が広がっており、奴隷身分のヘイロータイが住んでいます。
彼らから食糧を奪い、ヘイロータイが抵抗したら殺してかまいません。

 ヘイロータイからすれば、常に年頃の少年が短剣を持って徘徊しており、何時襲ってくるか分かりません。
ヘイロータイにはスパルタ人に対する恐怖心を植え付け、少年は放浪を通じて立派な戦士に成長する訳です。

 女の子は合宿生活はないですが、やはり集められて肉体の鍛錬をしました。
これは立派な戦士を産む為でした。
要するに、スパルタは社会全体が準戦時体制のポリスで、このようなポリスの在り方はギリシア全体から見たら特殊です。

古代ギリシアの社会・続く・・・


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コメント

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こんばんは

スパルタ教育の語源そのものですが、力で抑え込むことでは、平和にはなりませんね。
結局はそれがスパルタの限界でもあったのでしょう。