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2013/02/23

歴史のお話その46:ギリシア・ヘレニズムの文化⑥

<ギリシア・ヘレニズム文化⑥>

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◎プラトン・国家論

 プラトンは「国家論」と題する政治の本も書いています。
プラトンは、民主政治を嫌悪しました。
彼の敬愛する師である、ソクラテスはなぜ死刑に成ったのでしょう?
陪審員の役割を担った市民達によって、死刑判決を受けたのです。
では市民達は如何なる資格で陪審員と成ったのでしょうか?
抽選で陪審員に当選した結果で、しかも、陪審員はアテネ市から日当が支払われました。
偶然抽選で選ばれ、裁判に参加した市民達に、ソクラテスの思想が理解できるのでしょうか?
そしてソクラテスを裁く権利が在るのでしょうか?
これが、プラトンの発想で、民主政治を嫌悪するのです。

 では、如何なる政治を理想としていたのかと言えば、哲人が王となることでした。
プラトンはエジプトを旅行して感激しています。
エジプト人は、王、ファラオを神の化身として崇める伝統が在ります。
アテネ市民の議論の応酬を繰り返す連中を哲人王が支配すれば、国民は王の言うことを良く聞いて素晴らしい国になるに違いないと考えたようです。

 話は戻りますが、ソクラテスも民主政治を批判するようなことを言っています。
そのお話とは、「貴方が家を建てるときどの様な大工に仕事を頼むか?大工を集めて抽選で当たった大工に頼むか、それとも最も腕の良い大工に頼むか?」
「腕の良い大工に頼むであろう。ならばなぜ、我々アテネ人は政治を行う者を抽選で選ぶのか。」
なかなか辛らつな批判と思います。
当時のアテネの人々は、民主政治に絶大な自信と誇りを持っていましたから、こんな発言はやっぱり許しがたい発言と思われます。
ソクラテスが死刑になった原因には、この様な発言が在ったことかも知れません。

 アカデメイアはプラトンが作った学校です。
現在でも科学アカデミー、アカデミックな書物等、物事を権威で飾りたいときの修飾語に成っていますが、それくらいプラトンには権威が在り、その学校アカデメイアにも権威が在ったと云うことです。

ギリシア・ヘレニズムの文化・続く・・・

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