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2013/02/27

歴史のお話その49:ローマ帝國の発展①

<ローマ①>

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ロムルスとレムスの発見

1)ローマの発展

  現在ユーロ圏で話題に成っているイタリアの首都ローマは、その起源となるのは小さな都市国家でした。
ギリシアのポリスに似た構造で、アテネに比べて200年くらい遅れて発展してきました。
アレクサンドロス大王がペルシアを滅ぼした後、何故そのままインド方面に向かったのでしょうか?西の方向、つまりイタリア半島方面への遠征を考えなかったのは何故でしょう。
現在のイタリア方面には遠征するだけの魅力が無く、後進地帯だったわけです。

 このローマがやがて大発展してアレクサンドロスの後継国家、つまりヘレニズム国家の総てを支配する大帝国に発展して行きます。
ローマは紀元前8世紀頃ラテン人によって建国されました。
このラテン人はインド・ヨーロッパ語族に属し、今でもイタリア人やスペイン人をラテン系民族と呼ぶのは、ローマ帝国の支配下に入ってラテン人の血を引き継いでいるという意識から来るようです。
都市国家ローマには最初、王が存在しましたが、紀元前6世紀には王を追放して共和政が始まりました。
王がいる政治制度が王政、王がいないのは共和政です。
因みにアメリカ合衆国は共和政、イギリスは王政、韓国は共和政、では日本は?
王では無く天皇陛下が居られますので、分類的には王政に分類されます。
(但し天皇の英語約は、皇帝を意味するEmperorが使われていますので、ある意味帝政かもしれません。昭和20年迄は大日本帝国が国名でした。)

 ローマでは紀元前6世紀に共和政が始まって以来、元老院と呼ばれる貴族議会が政治を主導してきました。
外国の使節がローマの元老院を見て、王が何百人も集まっている様だと言った位に、彼らは誇り高かく、又共和政という政治制度に自信を持っていた様です。
元老院という訳語は伝統がある古い訳で、如何なる議会形態なのかと言えば、現代政治で在れば上院とか貴族院と訳されます。

 政府の役職で最高位がコンスル、執政官と訳され、現代的に訳せば大統領で在り、任期1年で2名おかれます。
2名なのは独裁政治に陥らない様に互いに牽制させる為で、ローマでは王や独裁者が出現する事を極端に警戒しました。
しかし、執政官2人の意見が異なると国家存亡の非常事態に対応が遅れて困る事にもなります。
この点を解決する為に設置される臨時職にディクタトールが在り、これは独裁官と訳し、半年任期で1名です。
決して半年以上は任に着かないのは、独裁者に成る事を恐れた結果でした。

 執政官、独裁官、元老院議員は総て貴族から選ばれます。
これに対して平民達が不満を持つ様になるのはギリシアと同様で、ローマでも平民が武器自弁で重装歩兵として戦場に出陣するのですが、これは貴重な戦力です。
ところが、戦場での活躍だけが期待されて政治的権利が無い事に関して、平民が貴族に対して抗議活動をおこないます。
紀元前494年の聖山事件が発生しますが、平民達が聖山に立て籠もって抗議行動を起こした事件で、
ローマの貴族達は護民官設置を認める事で平民に歩み寄りました。

 は2名、執政官の政策に対し、それが平民の不利益になると判断すれば拒否権を発動することが出来、護民官が不可と判断すれば執政官は何もできない事に成ります。
更に、護民官は身体不可侵で、誰も護民官を肉体的に傷つけることは許されず、独特の宗教的ともいえる権威を持つようです。
その後も徐々に平民の権利は拡大します。

 紀元前451年、十二表法制定。
12枚の銅板に法律を刻み誰もが、閲覧出来る様にしました。
貴族独占だった法律情報の公開で、元老院はアテネに使節を派遣してドラコンの法等を参考にしたといいます。
紀元前367年、リキニウス・セクスティウス法。
執政官のうち1名を平民から選出する法律です。
紀元前287年、ホルテンシウス法。
平民の議会である平民会の決定を国法とする法律です。
元老院と対等に立法出来るように成りました。

 この段階で、ローマに於ける身分闘争は終結し、政治は安定し、外に向けて発展していきます。
執政官も、貴族・平民から一名ずつ選ぶようになり、立法権も平等にあるから、二つの身分は対等のように見えますが、根本は異なります。
例えばアテネでは貴族、平民も一緒になった民会が国政の最高機関になりましたが、ローマでは貴族は元老院、平民は平民会と、二つの身分は分離したままです。
そして、常に貴族は大金持ちで財産も在りますが、平民には在りませんから、財産を築いた平民は貴族の仲間入りを目指します。
ローマで実質的に政治権力を握っているのは、元老院を中心とする貴族なのです。

ローマ・続く・・・

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コメント

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こんばんは

ローマは様々な問題もあったかもしれませんが、あの時代でこれだけのシステムを構築していたのは素晴らしいことです。

こんにちは。
28日のご挨拶です。
もう明日から3月ですね。あと1ヶ月もすれば、
完全に春でしょうね。まだ来週は寒さが
ぶり返すようですので、ご注意下さいね。

PS、置き手紙のバナーが不具合があるようです。

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