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2013/03/05

歴史のお話その54:ローマ帝國の発展⑥

<ローマ⑥>

spartacus_328(1).jpg
「スパルタカス」ユニバーサル・ピクチャーズ 1960年 主演カーク・ダグラス

4、スパルタクスの反乱その1

 同盟都市戦争に続いて紀元前88年から紀元前88年迄、マリウスとスラの抗争が起こります。
スラは膨大な資産を保有する貴族で、彼も又多くの私兵を養っていましたから、同じローマの将軍同士がローマ兵を率いて戦闘を交える事に成りました。
スラは軍隊が決して入城することを許されなかった、ローマ市内に乱入する事も在ったのです。
この時、ローマの指導者集団である元老院は、この二人の将軍の抗争に振り回されるだけで、二人の抗争を解決できず、元老院の権威が次第に低下する発端と成りました。

 この二人で、マリウスは平民派、スラは閥族派の出身でした。
平民派は、公職に就く場合に平民の支持を背景とし、閥族派は貴族勢力を背景に公職を目指していた人物で、政治的な考え方に違いがあるわけではありません。

 この時期には、奴隷反乱も幾つか発生しました。
紀元前139年から紀元前131年と紀元前104年から紀元前99年にシチリア島で数万規模の奴隷反乱が発生しています。

 そして紀元前73年から紀元前71年には有名なスパルタクスの乱が起こります。
スパルタクスは剣奴(グラディアトル)でした。
処で奴隷と一言で言いますが、特別な能力がなければラティフンディアで農業従事、しかし中には賢い奴隷も居り、ギリシアもローマに征服された関係から、学者の奴隷も当然居ます。
彼らは貴族の屋敷で子供の家庭教師など知的労働に従事し、顔の良い少年少女は、貴族の館で主人の身の回りの世話をする事に成ります。
特技や能力によって違いが有り、その中でも特に剣奴は特異な存在でした。
戦争捕虜などで肉体的能力が抜群の者が剣奴に抜擢されたのです。

 剣奴は真剣勝負の殺し合いをさせられる者達で、今風ではボクシングやプロレスの様な格闘技(決闘)をローマ市民達が見て熱狂するのです。
強く人気のある剣奴はスター扱いですが、負ければ当然命は在りませんから、現在の感覚からすれば、物凄く残酷な競技でした。

 ローマの諸都市では、必ず競技場が造られており、剣奴の試合が頻繁に行われていました。
剣奴の試合を開催するには、お金(今で云う処のファイトマネー)が掛かります。
数日をかけて何十番もの取り組みを行なうのですが、この資金を提供するのが、開催される都市の有力者や貴族達で、試合を楽しみに見に来るのが一般市民、つまり平民なのです。
有力者は何故、私財を使って迄平民に娯楽を与えるのかと言えば、当に人気取りの為です。
平民にサービスをする見返りに、選挙で投票してもらって公職を得ようとする訳です。

 剣奴は興業があると到る処に連れて行かれて試合をさせられました。
当時の試合は、必ずどちらかが死ぬ迄戦うわけでは在りません。
怪我をする、剣を取り落としてしまう等、戦闘不能になって勝負がつく場合が在ります。
とどめを刺す否か、勝利者たる剣奴は主催者を見るのです。
主催者は競技場に詰めかけた観客を見渡し、この時に観衆が親指を立てて拳を突き出せば、「そいつは負けたけど、立派に戦った。命は許してやれ」という合図で、主催者も親指を立てて、勝者はとどめを刺しません。
敗者は怪我の手当等を受けて助けられます。
逆に観衆が親指を下に向けたら、「そいつは助けるに値しない。殺せ」という意味で、主催者も同じ合図を送り、勝者は敗者にとどめを刺しました。
残虐性について、ローマ人は結構激しいものが在り、猛獣と剣奴の戦い等も行われました。

 当然のことですが、試合はワザの優れたもの同士の戦いの方が迫力が在ります。
そこで、剣奴達は訓練を受けて、試合のない時は腕を磨き、試合で負ける事は死を意味しますから、訓練も必死でした。

 ローマの南方に在るカプアが剣奴の訓練所でした。
紀元前73年、ここから78人の剣奴が脱走したのですが、このリーダーがスパルタクスです。

 彼らはベスビオ山に逃げ込み、其処でローマの討伐隊と最初の戦いを交えるのですが、スパルタクス達は、剣奴(殺しのプロ)である上、失うモノは何も無く、滅茶苦茶強くてローマ軍に勝ってしまう。(映画「ランボー」の第一作を思い出して下さい)
脱走した剣奴がローマ軍に勝ったという噂は瞬く間に広まり、周辺のラティフンディアから農業奴隷達の逃走が始まり、彼らの処に集まって来ます。
スパルタクスの勢力は7万人に達したとの記録も在りますが、スパルタクスは戦闘指揮にも才能が在った様子で、この後もローマ軍との戦いに連勝します。

ローマ・続く・・・

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