2013/03/08

歴史のお話その57:ローマ帝國の発展⑨

<ローマ⑨>

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"Cléopâtre et César" ジャン=レオン・ジェローム画1886年作

5)カエサルその2

 この姉弟は仲が悪く、権力闘争の結果、弟王とその一派が実権を握り、クレオパトラは有名無実の国王でした。

 その様な時にエジプトに現れたのがカエサルです。
彼女は考えました。
「カエサルに会って自分の後ろ盾することが出来たら、弟を追い落としてエジプトの真の女王になれる。」
ところが、彼女には弟王の監視が付いて居り、カエサルに接近する機会が在りません。
史実か否かは別にしても、映画の一シーンでも有名な絨毯に隠れる方法です。
彼女は自分を絨毯で巻き、エジプトの富豪からの贈り物だと称して、その絨毯をカエサルの宿舎に届けさせます。
カエサルが、「立派な絨毯だ」と言いながら広げると、中からクレオパトラが現れ驚くと云うお話しです。
この時、クレオパトラ21歳、カエサル52歳でした。

 クレオパトラは伝説が伝える様な、絶世の美女ではなかった様ですが、教養あふれる知的な女性でした。
特に声が魅力的と云われています。
結果的にクレオパトラはカエサルに会うことが叶い、計画通りに彼を自分の魅力の虜にしました。
カエサルは最後には、エジプトの宮廷闘争に介入してクレオパトラを名実ともにエジプト女王とし、更にエジプトの独立を保証したのです。

 ローマに還ったカエサルは、ポンペイウスの残存勢力を駆逐して紀元前46年には終身独裁官に就任します。
事実上の独裁者で、あらゆる栄誉と権限を一身に集めたのですが、実力者だから誰も文句を言えないのです。
しかしながら、カエサルの振る舞いを見ていてかなりの人たちが疑いを持ち始めます。
「カエサルは皇帝になろうとしているのではないか」。
独裁者なら、前例は在りますが、しかし皇帝は別の話しで、ローマ人には共和政に対する誇りがある、皇帝に対しては大変強い拒否反応が在りました。
此れは、元老院主導の貴族政治が否定される事に繋がり、貴族達はカエサルに警戒心以上の敵意を持ち始め、ブルートゥスを中心とする共和主義貴族のグループが最も急進的でした。

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 そのブルートゥスよって、カエサルは暗殺されました。
紀元前44年3月15日、カエサルが元老院の議場に現れるや否や、待ちかまえていたブルートゥス達がカエサルに襲いかかりました。
カエサルは必死に抵抗するのですが、自分を襲う貴族の中にブルートゥスの姿を見つけ「ブルートゥスお前もか!(お前もか!わが子よ)」と叫んだと云うのは有名な伝承です。
ブルートゥスは名門貴族出身ですが、結構カエサルの寵愛を受け、彼の保護のもとに重要な役職に就きました。
そのブルートゥスまでもが俺を殺すのか!という意味ですね。

 外史を一つ。
ブルートゥスはカエサルよりも25歳年下です。
カエサルは、若い頃にブルートゥスの母親と交際が在りました。
当然ながら、若い頃から女性関係は激しく、その後二人は別れて彼女はブルートゥスの親父と結婚するのですが、ブルートゥスの誕生日を聞いた時、カエサルは若しやと考えた様です。
ブルートゥス自身は、例えその様な関係でも共和制を守る為には生かしておけないと考えたのでしょう。
帝政に対する反発の強さが分かりますが、このお話しは、外史に属する部分です。

 クレオパトラについて
クレオパトラですが、カエサルの子供を産んでいます。
男の子でカエサリオンと名付けられ、母子は当にカエサル暗殺の日、カエサル本人に招かれてローマに来ていました。
カエサルの死を知ったクレオパトラは、カエサリオンを引き連れ急いでアレクサンドリアに帰っていきました。
カエサリオンは独立王国エジプトの王子でありまだ子供です。
尚、カエサルの遺産相続人にはなりませんでした。

ローマ・続く・・・

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