2013/03/25

歴史のお話その71:ローマ帝國の発展㉓

<ローマ市民の都市生活Ⅱ>

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(5)国家財政

紀元前62年の場合の国家財政
・計10億セステルティウス以上 (3200億円)
・前62年以前の通常収入は2億セステルティウス (640億円)
・ポンペイウスがギリシア領オリエントを征服して、通常収入を3億セステルティウス (960億円)以上加える
・更に、5億セステルティウス(1600億円)近い額が戦利金として臨時収入となる

軍事費の一例: 軍団兵、護衛隊兵、都警隊長の給料のみで年間2億セステルティウス (640億円)
人件費の一例
・アフリカ知事: 100万セステルティウス (3億2000万円)
・元首属吏: 6~30万セステルティウス (1920万~9600万円)

祭費の一例
・ローマ祭: 76万セステルティウス (2億4320万円)
・アポロン祭: 38万セステルティウス (1億2160万円)

国道建設費: 1(ローマ)マイル(1480メートル)ごとに10万セステルティウス (3200万円)

穀物費: 20万人の無償受給者に対する費用だけで、年間48万セステルティウス (1億5360万円)

・通常会計: 4000万セステルティウス (128億円)
・特別会計: 1000万セステルティウス (32億円)
・上記のうちスペインの鉱山からの収入: 2400万セステルティウス (76億8000万円)
・軍事費: 2000万セステルティウス (64億円)
・公共建造物の建設や維持費: 100万セステルティウスほど (3億2000万円)
・競技会の開催費: 上限300万セステルティウス (9億6000万円)

(6)贈与行為

 ローマ市民の総て、又一部は、毎月一定量の小麦を廉価若しくは無料で受け取ることができました。これは紀元前123年に護民官のガーイウス・グラックスが定めた、穀物を安価に販売する法律に端を発します。
その後この穀物供給の考えは、様々な方法で継承され、皇帝による贈与行為等として帝政末期迄続くことに成りました。

 但し、この行為は今日の福祉政策や生活保護とは性質を異にしており、グラックスの穀物法は貧富の差を問わず誰でも一定額で小麦を購入することができる一方、購入量の制限が存在したのです。
これは主食である小麦の安定供給を目指し、飢饉や過剰な値上がりを抑える目的を持っていました。
 
 又カエサルは国が無償でパンを配給することを決定しますが、これは15万人の市民に限定されたもので、しかもこの15万人に最底辺の貧民層は含まれません。
配給を受けた市民は、国によって特権を与えられたもの達であり、カエサルのパンの配給は公務員の優遇措置や社員割引のような性質のものでしか在りませんでした。

 このような贈与行為等は「パンとサーカス」、「パンと競技」と一般に言われるものであり、ローマのひとつの特徴を為すものです。
贈与行為は皇帝によって行なわれるばかりでなく、有力市民によっても行なわれ、その内容も大小さまざまでした。
目的も人気取りや名誉のためなど多様で在ったらしく、以下には、その一部を紹介します。

※カエリア・マクリナという女性の場合

 カエリア・マクリナは港町タラッキナに対して、100万セステルティウス(3億2000万円)を遺贈し、以下の目的のためにその現金の利子が使われるように要請しました。
・100人の少年と100人の少女の扶養のために住民の少年一人当たり毎月5デーナーリウス(6400円)、少女一人当たり毎月4デーナーリウス(5120円)を、少年は16歳まで、少女は14歳まで、与えられること。
・また常に100人の少年と、100人の少女が常に継続して同様に受容すること。
すなわち、この女性は少年少女の扶養基金を設置したのです。

※小プリニウスの場合

 小プリニウスは生まれ故郷の北イタリアの都市コームムに以下のような贈与をした。
・浴場の建設のために: ?(判読不能)セステルティウス
・備品のために: 30万セステルティウス (9600万円)
・維持費のために: 20万セステルティウス (6400万円)
・自分の解放奴隷100人の扶養のために: 186万6666セステルティウス (5億9733万3120円)
・上記の186万6666セステルティウスの利子で年の民衆が饗宴を行なうこと
・都市の少年少女の扶養のため: 50万セステルティウス (1億6000万円)
・図書館の建設と維持のため: 10万セステルティウス (3200万円)
最後の二つの贈与は生前に行ない、それ以外の贈与は遺言に従って実行されました。

ローマ・続く・・・

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