2013/03/28

歴史のお話その74:ローマ帝國の発展㉖

<ローマ市民の都市生活Ⅴ>

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ユスティニアヌス帝

◎ローマ法

 一面では退廃的なローマ文化ですが、一方でローマ帝國が何百年も繁栄し続けた理由は、やはり統治技術のうまさ、柔軟さが挙げられると思います。
そしてローマ人は公正を求めて、常に法を尊重する文化を維持し続けた事、この部分はローマ人の偉大なところです。

 それを象徴するのがローマ法。
時代的には、6世紀の皇帝に成りますが、ユスティニアヌス帝はトリボニアヌスに命じて「ローマ法大全」を編纂させました。
これはローマの法と法学説を集大成したものです。

※ローマ法の基本原理

 「法と云う名称は正義に基づいて名づけられたものである」とは、ローマ法学の代表的学者、ウルビアヌスの言葉ですが、これはローマ法の一つの特徴をも表しています。
「正義」はローマ法の基本原理にしっかりと組み込まれている概念なのです。

 ローマ法の基本原理は次の三つで、すなわち、正直に生きること、他人を害しないこと、各人にその有すべき権利を配分すること、を定めています。
徒然草にも似たようなことが書かれていたと記憶していますが、両者には時代的に差がありすぎます。
ローマ人がこの三つの思想を紀元前の頃から既に持っていた事実には驚きを隠せません。
この三つの基本原理はローマの法分野の到る所に浸透し、ローマ法の特徴を形成しています。
そしてこれらは、ローマ法のローマ法たる所以を簡潔明瞭に表現しているのです。

 ローマ人はこれらの原理を具体的、実証的、現実的に法の内容に盛りこみましたが、これは彼等以前の誰にも成し得なかったことであり、これがまた、ローマ人が法の天才と称される理由でも在ります。
又、ローマ法の他の特徴としては、債務不履行による契約解除を認めなかったという点が挙げられます。
「信義」、そして基本原理にもある「正直」こそが、ローマ契約法の発展の源泉でも在りました。

 最後に、ローマ法の共同所有権について、ギリシャ等では、総有、総手的共有という性質でしたが、ローマ法は個人の利を共同の利より先行させる個人主義を採ったのです。
これは他の法では見られない珍しい規定で、これはローマ人が持つ自由独立要求の現れで在り、そして又、この気風がローマを巨大帝国に押し上げたと思われます。
         
 この独立気質は、人的結合の最も濃厚な婚姻法の分野に於いても当はまり、これもまたローマ法の一つの特徴です。
当時のローマでは離婚が多く、女性が再婚する際に不利にならないようにする規定もしっかり整っていました。

 以上のように、ローマ法は現代から見ても大変優れた法律で在り、しかしそこに至るまでは様々な紆余曲折があったと推定されます。
まさに「ローマ法も一日にして成らず」なのです。

ローマ・続く・・・
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