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2013/04/13

歴史のお話その88:キリスト教の成立②

<キリスト教の成立②>

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映画バン・ハー MGM1959年作品 監督ウィリアム・ワイラー 主演チャールトン・ヘストンより

2、イエスの生涯

 細かい戒律が数多く存在し、これを厳格に守る事は難しいことだったに違いありません。
例えば、この安息日に火を使用しては成らないとすれば、食事の支度はどうなるのでしょう。
安息日でも食事は当然必要ですが、戒律には抜け道も在った、自分で準備をしなければ良いのですだから、金持ちはお金で人を雇って火を使って料理させて、自分は食べるだけで良い。
これなら戒律を守りながら、満腹できます。
逆にそうで無い人どうなるのでしょうか?
貧しければどんな仕事でもして、生きていかなければ成らないので、安息日に金持ちに雇われて、彼等の為に働くのはその様な人々だったに違い在りません。

 2000年前のユダヤ人社会に戻りますが、戒律重視の律法主義が主流でした。
律法主義が厳しく言われれば言われる程、結果として貧者はどんどん救われなく成ります。
極端に言えば、救われるのは金で戒律を守る事のできる人だけに成る訳です。
そして、ローマの支配下で重税をかけられて、貧しい人々がどんどん増えていたのが当時のパレスチナ地方です。
自分は救われない、非常に絶望的な気分で日々を送ったのではないでしょうか。

 この様な状況の中で、イエスが登場して民衆の支持を得ます。
イエスが何を言ったのでしょう?
彼は、最も貧しい人々、戒律を破らなければ生きていけない人々、その為に差別され虐げられた人々の立場に立って説教をするのです。
「戒律等気にする必要は無い。あなた方は救われる」と言い続ける、それがイエスです。
例えば売春婦、売春等は戒律破りの最たるものですが、恵まれない女性が最後に辿り着く生きる手段でした。
そんな事をして生きていく事そのものが辛い事なのに、更には宗教的にも救われないとされているのです。
その様な女性にイエスは「あなたは救われる」と言います。
それから、ハンセン氏病患者、日本でもつい最近まで、科学的な根拠のない偏見が長く続いてきた病気です。
ユダヤ教では、病気そのものが神からの罰として考えられていましたから、酷い差別を受けました。(映画ベン・ハーを思い出して下さい)
イエスはその様な人の処にも入り込み、「大丈夫、救いはあなたのものだ」と言うのです。
これが、どれだけ衝撃的だったか、人々の胸を揺さぶったか、想像してください。

 さて、イエスその人のことですが、母がマリア、聖母マリアと云われていますが、父親はヨセフで、この人は大工さんでした。
父ヨセフ、母マリア、ならば何も問題は無いのですが、後にキリスト教の教義が確立する中で、マリアは処女のままで身ごもってイエスが生まれたということになります。
現実にはその様な事はあり得ないので、一体この話は何を意味しているのかとについては又次回に。

キリスト教の成立・続く・・・


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コメント

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こんばんは

日本では地獄に落ちた物まで救う者として、地蔵様がありました。
地蔵様は地獄も含む、六道すべての者を慈悲の心で救います。
イエスは日本でいえば、地蔵様なのかもしれません。