2013/04/24

歴史のお話その97:インダス文明①

<インダス文明①>

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モヘンジョダロ

◎特徴

 インドと一口で言いますが、ここで取り扱うのは「インド世界」と考えてください。
今のインドだけではなくて、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ネパールも含めて「インド世界」です。
 
 インドに最初に生まれた文明がインダス文明でした(紀元前2500年~紀元前1800年)。
インドの西側を流れる大河インダス川の中流から下流に成立し、メソポタミア文明と同じく、多くの都市国家が栄えていたと考えられています。
モヘンジョ=ダロ、ハラッパー等の都市遺跡が有名です。

 インダス文明の特徴として、上記の都市はすべて都市計画が存在し、計算の上で建設されている事が特徴です。
有名な話ですが上下水道が完備され、ダスターシュートが住宅に設けられていました。
古代の都市国家は街の中心に神殿が、建っている事が普通なのですが、インダス文明には神殿が存在しません。
都市の真ん中にあるのは、大きな公衆浴場で、この浴場そのものが神殿の役割を果たしていたと考えられています。
浴場とか風呂と言えば日本人のイメージが出来上がってしまいすので、改めて沐浴場と言うべきでしょうか。
沐浴は、身を清める事です。

 モヘンジョ=ダロやハラッパーの人々は、町の真ん中の沐浴場につかりながら身を清め、神々に祈りを捧げていたのではないか、と想像されます。
この風習は現在のインドにも残こり、ガンジス河畔の聖地ベナレスでは、インドの人達がここでガンジス川につかって沐浴しています。
5000年前のインダス文明の人々と同じような心の在り様であると思います。
そして、この心境は私達にも分かる様な気がするのは、文明のルーツが似たところにあるのでしょう。

 蛇足ながら、沐浴は身体を清潔にする行為では無く、結果として清潔に成るのですが、それが目的では在りません。
事実、ガンジス川は汚いとの事で、様々な動物の死体が浮いており、汚水も流れ込んでおり、清潔かどうかと聞かれれば不潔な川です。
しかし、宗教的には「浄い(きよい)」川なので、その水で清めれば魂か何かが、浄くなるのです。

 浄いという意識があるということは、その反対の意識も当然あるはずです。
それが「穢れ(ケガレ)」です。
インダス文明はこの意識を強く持っており、上下水道が完備していたといいましたが、これは衛生観念が発達していたのではなく「清い」と「汚れ」の意識が強かった為なのでしょう。
インド人は現在迄、この意識をずっと持ち続けており、これは大変重要な問題を生みますが、その話は、後ほど触れたいと思います。

インダス文明・続く・・・

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