2013/04/26

歴史のお話その99:インダス文明③

<インダス文明③>

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◎文明と身分制度の発生その2

 身分制度は、最上級身分がバラモン、次に位置するのが武人身分クシャトリア、第3位がヴァイシャと呼ばれる一般庶民、最下層がシュードラでこれは被征服民です。
この身分制度をヴァルナといい、種姓と訳しています。

 更にこの四つのヴァルナの何れにも属さない最下層の身分として不可触民が存在します。
観念としては「最下層」ではなくて、四つのヴァルナの外にある身分、突き詰めれば身分ですらない、どの身分にも加えてもらえない人達。
極端には人間としての扱いを受けない人達です。

 不可触民という呼び方も強烈な言葉で、彼等は汚れているから、触ると汚れが移ると考えられ、彼等の正反対に在り、汚れから最も遠い存在がバラモンと成るのです。

 このヴァルナ(種姓)は現在まで連綿と続いています。
ここで注意が必要ですが、バラモン層の人が現在でも僧侶をしている、クシャトリアが皆軍人、その様な事は無く、農民のバラモンも居れば、商売をしているシュードラも居ます。
種姓の四つの分け方は大きすぎるので、この身分は時代と共にどんどん細分化されて行きました。
細分化は職業や血縁によって行われた様ですが、この細かく分かれた身分をジャーティと云います。いわゆるカースト制は、実はこのジャーティのことです。

 バラモンからシュードラまで4つ、不可触民を含めると5つのヴァルナが存在し、更に多くのジャーティに分かれ、例えば同じシュードラでも、クンビー、マーリー、ソーナール、スタール、ナーヴィー等のジャーティに属する人々が居るのです。
遥かに起源を辿れば、農民、金工、大工、床屋がそのジャーティの職掌、つまりジャーティが受け継いできた仕事の様です。

 ヴァルナもジャーティも一緒にして、現在のこの身分制度をカースト制と呼んでいます。
身分制度は差別と一体、身分差別で、人権を尊重する現代社会において身分差別なんてあってはならず、現在のインド政府も当然その様な観点から、カースト制を根絶しようと努力しています。
インドの現行憲法でも身分差別を禁じているのですが、それでもこのカースト制は全然無くなりません。
差別は過去のことでは無く、インド社会の発展にとっても、大変な重荷になっており、インド関連の本を読めばすぐにこの問題が出てきます。

 例えば最近読んだ本の中で、インドで柔道を教えている日本人の話が出て来ました。
子ども達を集めて指導しているのですが、小さいときはみんな喜んで乱取りをします。
ところが8,9歳位になると決まった相手としか乱取りをしなくなり、「お前とお前が組め」、とその指導者が命令すると渋々組のですが、相手の身体に触れない様に少しだけ胴着の端をつまむようにするとのことでした。
その日本人の先生は、最初理由が分からなかったのですが、時間が答えを導いてくれたのです。
カーストが違うと組みたくない、特に相手が不可触民の場合顕著になり、インドの子供達も8,9歳くらいに成るとカースト制度の文化の中で生き始めて行くのだと。

インダス文明・続く・・・


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