2013/04/27

歴史のお話その100:インダス文明④

<インダス文明④>

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インドの農村風景(本文とは無関係です)

◎文明と身分制度の発生その3

 インドでは新聞での結婚広告が盛んです。
自分のプロフィール、希望相手の条件等を新聞に載せるのですが、必ず自分のカーストを載せます。それ以外のカーストの人とは結婚しないことが前提なのです。

 もし違うカーストの男女が恋愛して結婚しようとしたらどうなるか?
多分親族やカースト仲間から猛反対を受け、それでも結婚したらどうなるか?
二人はカーストから追放されて、不可触民の身分に成り、二人の間に生まれた子供も不可触民です。

 就職差別はどうなのでしょう。
例えば、貴方(貴女)がインド旅行でコルカタの食堂に入ったとします。
ウェートレスが注文を取りに来ますが、彼女はどの身分でしょう。
バラモン、クシャトリア?それとも他人にサービスする仕事だから下層身分と思うでしょうが、実は食堂等で働いている人は、調理人も含めて概ねバラモン身分だそうです。

 何故でしょう?
若し、シュードラ身分の人を雇ったら、その店にはバイシャ以上の身分の人は来ません。
自分より下の身分の者が作ったり出した水や食べ物を口にする事は、自分の身分が汚れるからです。逆にバラモンが出す食事なら、どの身分の者でも口にすることが出来ます。
従って学校帰りや、仕事帰りに皆で食事に行く、等と云う事態はインドではありえないのです。
誰かを自分の家に食事に招待する行為等は、非常に神経質成らざるを得ません。
相手が同じカーストでなくてはいけないからなのです。
 
 法律で身分制度が否定されていても、日常一般に差別は続いているんです。

 特に強烈な差別に喘いでいるのが不可触民と呼ばれる人達です。
この不可触民に対する差別がどれだけすごいか、山際素男の本で紹介されており、その内容には驚きを隠せません。
この人は、インドに留学していて知り合いも沢山居り、ある時知り合いになったインド人に案内されて、ドライブに連れて行ってもらうのですが、田舎道を走っている途中で前方を白い服を着た集団が歩いていたのです。
山際さんの乗ったクルマがその中の一人を跳ね飛ばしてしまい、山際さんびっくりして、「今人を跳ねましたよ、止まって下さい」、と言うんですが運転手役のインド人友人は、無視して走り続けました。
走り去る車のリアウインド越しに、振り返って見ると倒れた人の周りにみんなが集まっているのが見えたのです。
早く戻って手当をしなければ、と山際さんは運転手に訴えるんですが聞いてもらえず、同乗している他のインド人も素知らぬふりを決め込んでいました。
これはひき逃げだと当然山際さんは思う訳ですが、翌日新聞にひき逃げの交通事故の事件が載っていないか探したものの載ってもいなません。
ひき逃げは事実なので、事故のことが頭から離れず、彼は知り合いのインド人を訪ねてこのことを訴えるのですが、皆口を揃えて「そんなことは早く忘れなさい」と山際さんに忠告するのです。
「あんな連中はどうだっていい」、とまで言われ、やっと撥ねられた人物が不可触民だったと理解できたのでした。
衝撃を受けた山際さんは、それから不可触民の実態を彼等の中に入ってレポートしています。
信じられないような話が良くぞ此処までと思う位登場します。

インダス文明・続く・・・
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