2013/05/02

歴史のお話その104:インダス文明⑧

<ウパニシャッド哲学と新宗教③>

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◎新興宗教の成立

 如何にすれば、心の曇りを取り払い「アートマン」を自覚するか、これは色々な人が色々な方法を唱えています。
仏教もその方法の一つであり、ヨーガも又その一つでしょう。
ヨーガにも色々な種類が在るとのことですが、日本で良く紹介されるのは本来、身体と精神を極限まで追い詰めようとしているのです。
肉体を限界迄追いつめて追いつめて、欲望や体内の脂肪等、余分なものを捨て去り、その後に残る最後のもの、「アートマン」を捉えようとしているのです。

 話を古代インダス文明に戻して、この様な思想が紀元前500年の前後数百年くらいの間に生まれて、インド世界に広まりました。
梵我一如、輪廻転生、業、解脱、という考えはインド人の常識に成って行き、この後インドに生まれる多くの宗教はこの思想を下敷きにしているのです。


 ウパニシャッド哲学を土台にした新宗教が紀元前5世紀頃に登場してきました。
他にも色々な宗派が生まれた様ですが、後世まで影響力を存続し得た宗派が二つ、これが仏教とジャイナ教です。

 この時期に新宗教が登場した背景を整理します。
農業の発展に伴って、特にガンジス川流域に幾つかの強国が成長してきます。
支配者の王や武人はクシャトリア身分、又、交易も活発化してきますから、商業の担い手だったヴァイシャ身分の中には王侯貴族に劣らない経済力を持った者も台頭してきます。

 クシャトリアやヴァイシャが力を付けてきても、バラモンの方が身分的には偉くて上位に君臨しています。
バラモンは経済力や武力は持ち合わせませんが、神々を盾に権威を持っています。
身分的にはクシャトリアもヴァイシャもバラモンの上には成れませんから、クシャトリア、ヴァイシャは、バラモンの権威を否定してカースト制を打ち壊してくれる宗教や思想を待ち望んでいたのです。

 森林にはウパニシャッド哲学を深める修行者達が無数に居て、この中から新しい時代に合った宗教が生まれて来ました。
それが、仏教であり、ジャイナ教です。

 この二つの宗教の共通点はともに開祖がクシャトリア出身であること、バラモンの権威を批判しカースト制を否定したことです。

インダス文明・続く・・・
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