2013/05/13

歴史のお話その113:中国大陸③

<黄河文明③> 

殷

◎殷その2

 殷の政治の特徴は、神権政治で古代社会は大抵の地域では、政治と宗教が一体化しているのですが殷も同様でした。
殷王は常に占いを行い、神々にお伺いを立てて政治を司りました。
宇宙には様々な神々、悪霊、妖怪で満ち満ちていて神々の機嫌を損ねない様に、又悪霊達の災いに遭わない様にと彼らは真剣だったのです。

 「道」の字、この字「しんにょう」に「首」が付いているのですが、「しんにょう」はそれだけで道の意味があり、それではなぜ、首が付いているのでしょう。

 興味深い一つの説をご紹介します。

 邑が在り、邑の門を出るとずっと道が農地や遠くの邑に続いています。
当時は現在の様に土地が開けておらず、原生林も点在し未開の民族も、邑が無い場所にはたくさん住んでいました。
当然、野生動物も数しれず、何よりもその様な原野には、訳の分からない悪霊、魑魅魍魎が跳梁跋扈していました。
魑魅魍魎が門から邑の中に入って来ることの無い様に、邑の門の下に魔除けとして人の生首を埋めたと云います。
門を開けて生首の向こうに道が始まり、道に出るには生首を跨いで行くのですが、この跨ぐ行為そのものが、外に出る人の魔除けの呪いでもある説明されています。

 この説が正しいか否か分かりませんが、殷の王墓にも生首がたくさん見つかっていることを考えると、何となくその様なことなのかという気がします。
古代中国の人々の生活感覚が伝わってくるような説ですね。

 この様に、古代人は神々に取り囲まれて生きていましたから、政治も当然神々にお伺いを立てた訳です。
殷の人達の神様は大きく分けると三種類に成ります。
一つが天帝、天と云うと、私達にも何となく理解できる様な気がします。
神みたいな感じで天と云う言葉を使うことが在りますし、日本の文化の中にも流れ込んでいる感覚です。
もう一つが自然現象を神にしたものです。

 最後が祖先神です。
中国文明を理解するには祖先神は重要だと思います。
祖先神崇拝はその後も生き続けて、朝鮮や日本の文化の中にも深く浸透しています。
殷の人々は死んだ祖先は、そのまま神になって存在し続けていると考え、何処か高い処に居て、常に子孫の行動を見ています。
人の道が外れた行為を子孫が犯せば祟りとして現れ、祖先神が一番子孫に望むことは、常に祖先神を崇めて祀ってくれることで、祀りを疎かにすると祖先の罰が降りるのです。
その為、殷の王達は何時祭りを行ったら良いのか、又占うことに成るのです。

 祖先神崇拝は後に儒教の中に引き継がれ、更に仏教にも影響を与えます。
われわれ日本の仏教の儀式の多くは、儒教化されていて祖先神崇拝が可也多く入り込んだものです。 

黄河文明続く・・・

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