2013/08/07

歴史のお話その179:栄華の時代・文化その④

<唐の文化その④>

◎書画

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呉道玄;孔子像

 絵画分野では、山水画の達人、呉道玄(ごどうげん)。
人物画では「歴代帝王図巻」を書いた閻立本(えんりつほん)(?~673年)。
この図鑑はボストン美術館が所蔵していますが、彼の直筆か否かは諸説あるとのことです。


 書の分野では、楮遂良(ちょすいりょう)(596年~658年)。

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顔真卿:祭姪文稿

顔真卿(がんしんけい)(709年~786年頃)、顔真卿は安史の乱で自衛軍を組織して反乱軍に抵抗した人物で、その字も力強く、王羲之の貴族的で優雅な書風を一変させました。
現在でも、顔真卿の書のファンは多い様です。

 さて此処に上げた文、画、書、の名人達ですが、彼等も官僚です。
芸術家という分類は、この時代に存在せず、芸術は貴族階級が嗜むものでした。

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唐三彩:ラクダに乗り唐にやってきた隊商

 工芸では唐三彩(とうさんさい)。
作品の題材は、中央アジア系が顕著で、ラクダにイラン人が乗って、琵琶を弾く等、唐の国際性が現れています。

◎学問

 儒学は官僚登用試験の科目にも採用されて、隆盛を極め、南北朝時代に儒学の主要問題集である、五経の解釈は別れてしまい、統一が必要でした。
解釈が別れては、試験問題としても問題在りなので、太宗の命により孔穎達(くようだつ)(574年~648年)により、「五経正義」と云う政府公認の儒学解釈本を編纂しました。

 これ以来官僚を目指す受験生は「五経正義」を参考書にして勉強しました。
確かに勉強には便利でしたが、儒学の解釈が固定化されてしまったのです。

◎宗教

 道教は則天武后や玄宗の保護を受けて隆盛です。

 仏教について
仏教はますます中国に深く浸透して、僧侶のなかで本場インドに留学したいと思う者も現れてきます。
 
東晋の時代に法顕(ほっけん)がインドに旅行して「仏国記」を残していますが、唐では更に有名な人物がいます。

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玄奘

 玄奘(げんじょう)(602年~664年)、三蔵法師の名も有名です。
彼は13歳で出家し、天才少年で瞬く間に先輩達を追い抜いて、仏教の理論を吸収して行きました。20歳を越える頃には、大人達に講義をするほどに成り、勉強を深めればそれだけ疑問も生じてきます。しかし、玄奘の疑問に答えられる人物は中国には存在しませんでした。

 疑問を解決する為には本場のインドに行くしか方法は在りません。
ところが、当時国外への旅行は禁じられており、インドに行きたい願望は募るばかりで、とうとう国境警備の監視を掻い潜り、国境線を突破、国外脱出に成功したのです。
齢27歳、太宗李世民の時代でした。

 インドへの旅の困難さがやがて『西遊記』の物語に成ります。
インドでも学識の高さで有名に成り、ヴァルダナ朝のハルシャ・ヴァルダナ王にも招かれ、王にすっかり気に入られて数多くの教本を持って645年に帰国します。
帰りは何頭もの馬に何百巻もの経典を積み、お付きの者も付けての旅でした。

 唐国境が近づきますが、玄奘帰ることが出来ません。
密出国ですから、帰れません。
そこで、彼は長安の太宗皇帝に手紙を出し、自分は唐僧ですが仏教を学ぶ為に国法を破ってインドに行きました。
留学を終えて帰ってきたのですが、どうか入国を認めてください、と。

 太宗、歓迎して玄奘を迎えます。
貴重な西域、インドの情報源と考えたのでしょう。
玄奘の為に寺を建立し経典の漢訳を援助し、何十人もの助手をつけて翻訳を手伝わせました。
現在、長安の観光名所と成っている大雁塔(だいがんとう)は、玄奘が持ち帰った経典を保存するために建設されたものです。

 また、太宗の命令で玄奘が書いた西域旅行記が「大唐西域記」です。

 もう一人インドへ趣いた僧に義浄(635年~715年)がいます。
彼は陸路ではなく海路南シナ海を船で西へ向かい、旅行記が「南海寄帰内法伝(なんかいききないほうでん)」、東南アジアの諸民族の貴重な記録となっています。

 唐の時代は禅宗、浄土宗、天台宗、真言宗など宗派が形成される時代で、仏教が中国化しはじめている時でした。

 日本からの留学僧はその様な空気の中で、最新流行の宗派を持ち帰って日本に紹介したわけです。有名な処では空海の真言宗、最澄の天台宗を伝えました。

唐の文化:終わり・・・

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