2013/12/11

歴史のお話その280:語り継がれる伝説、伝承、物語67

<或る大学教授の悪戯>

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 スコットランド、アバディーン大学物理学教授で、歴代イギリス政府科学顧問を務めた、レジナルド・ジョーンズ博士は、大変な悪戯好きな人物としても知られていました。
小は、謹厳な学究の徒に、電話機を水の入ったバケツに突っ込ませる事から、大はドイツの爆撃機を迷走させる事迄、彼の悪戯歴は輝かしいものなのです。

 1930年代にオックスフォード大学で、研究助手をしていた頃、ジョーンズは或る有名な哲学博士に電話をかけ、しかも相手が電話に出るや否や、電話を切る動作を数回繰り返し後、電話局の技師を装って、かけ直し、電話が故障していると告げました。
哲学博士がどうもそうらしいと答えると、彼は哀れな博士に思いつくまま、ありとあらゆる修理方法を取らせ上、最後に電話機をバケツに入れるように指示したのです。(意図は不明)

 しかし、ジョーンズ博士の悪戯は、時に祖国イギリスに有益でした。
第二次世界大戦の最中、イギリス航空省情報部勤務の際、彼はドイツ軍が爆撃機を方向指示電波で誘導している事を発見し、敵の電波信号をコピーしてロンドンから発信し、ドイツ空軍爆撃機を誘導、無人の荒野に爆弾を投下させました。

 又、連合軍爆撃機に搭載される事と成った、H2Sと呼ばれる対潜水艦探知装置に関する、偽装工作は最も優れたものと言えます。
ドイツ軍情報部に、イギリス軍が何らかの対潜水艦探知装置を開発している事を、早い段階で察知されてしまい、博士は是に対抗して攪乱戦術を考案します。
博士は、潜水艦の位置を探知する赤外線装置を「発明」して、その情報が確実にドイツ軍情報部へ流れる様に計ったのでした。
この「発明」新兵器の能力を恐れたドイツ海軍は、実在しない新兵器の為に、その光学兵器が探知できない様、取得した情報に従って、Uボート全艦の塗装を変更したのでした。

続く・・・
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