2015/02/10

歴史を歩く82

4-3イスラム文明の発展①

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「スルタンの楽しみ」 Edouard Frederic Wilhelm Richter 画 1900年

1イスラム文明の特徴

 イスラム文明の特徴を一言で表現すれば、融合文明です。
イスラム教とアラビア語を基調とし、それにギリシア、イラン、インド等の先進文明を取り入れ、融合させた文明で、例えば様々な色の液体を1つの容器に入れて混ぜ合わせると全く別の色になるように、様々な文明が融合して全く別の文明が作り出された文明がイスラム文明なのです。

ペルシアの説話を骨子としてインド、アラビア、ギリシア、エジプト等の説話を集大成した「アラビアン・ナイト」(千夜一夜物語)等は諸文明の融合を示すよい例であると思います。

 イスラム文明は、イスラム教を核とする普遍的文明で、イスラム世界の各地に伝播し、その地域、民族の特色が加わり、イラン=イスラム文明、トルコ=イスラム文明、インド=イスラム文明等多様な文明が形成されました。
又、中世ヨーロッパではイスラム教徒の著作がアラビア語からラテン語に翻訳され、ヨーロッパにおける学問の発達を促し、後のルネサンスの開花にも大きな影響を及ぼしたのです。

 自然科学が発達したこともイスラム文明の特色です。
自然科学は近現代のヨーロッパ文明で大いに発達し、現代の我々の豊かで便利な生活を実現させましたが、近代以前の文明のなかで自然科学が発達したことは稀で、僅かにヘレニズム文化とこのイスラム文化をあげることが出来るのみなのです。

 又、イスラム文化は都市文明で、その主な担い手は商人や手工業者等であり、美術、工芸等の分野も発達しました。

2イスラム教徒の学問

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ガザーリー

 イスラム教徒の学問は、「固有(自国)の学問」と「外来の学問」に大別することが出来ます。
「固有の学問」は、アラブ固有の学問分野でイスラム教、アラビア語、ムハンマド、「コーラン」研究から発達した分野で、法学、神学、言語学、歴史学等が含まれます。

 言語学、文法学は「コーラン」の研究から発達した分野で、「コーラン」はアラビア語で表わされており、他言語への翻訳は禁止されている為、「コーラン」を正しく理解し、伝達する為にはアラビア語の言語学や文法学が大切な学問分野でした。

 法学、神学も「コーラン」の解釈を中心に発達した分野です。
イスラム法は、「神の定めた掟」の意味でシャリーアと呼ばれ、行政法、身分法、家族法、商法等社会生活全般に関わる規定を含んでいる事から、法学は最も重要な学問と見なされていました。
イスラム神学、法学に精通した人物はウラマーと呼ばれ、神学、法学上の問題の裁定を行います。
従ってウラマーのイスラム社会での発言権は強く、社会のエリートとして大きな影響力を持ちました。神学者としてはイラン系のイスラム神学者のガザーリー(1058年~1111年)が有名です。

 歴史学は、ムハンマドの伝承研究から発達しました。
イラン系の神学者、歴史家タバリー(839年~923年)は年代記的世界史「預言者と諸王の歴史」を著しています。

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イブン・ハルドゥーン

 イブン・ハルドゥーン(1332年~1406年)はイスラム世界最高の歴史哲学者として有名で、チュニス出身で法学を学び、政治家となり若くして北アフリカのハフス朝(1228年~1574年)の高官と成りますが、妬まれて各地を転々とし、又投獄される等波乱の半生を過ごしました。
43才で政界を引退し、歴史書の執筆に従事し、「世界史序説」を著し、遊牧民と定住民との関係、交渉を中心に王朝興亡の歴史に法則性があることを論じました。
50才の時エジプトに移住し、マムルーク朝に仕えてカイロの大法官となり、その後カイロで没しました。

ジョークは如何?

ユダヤ系でナチスドイツから亡命した物理学者フリッツ・ハウターマンスが同僚のドイツ人に良く聞かせたジョーク

「君たちは自分等を優秀というが、君等の先祖が森でイノシシ追いかけてたときに俺たちの先祖はもう小切手の偽造をしてたんだぜ」

続く・・・


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