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2016/01/02

歴史を歩く162

22 17~18世紀のヨーロッパ文化①

1芸術と文学

 17~18世紀のヨーロッパでは、絶対主義のもとで、宮廷を中心とする文化が栄えましたが、市民階級の成長と共に市民文化も発展して行きました。

 美術の分野では、17世紀のスペインやフランスを中心に、強大な王権を背景にした豪壮華麗なバロック式が発達し、このバロック式建築を代表する建造物が、ルイ14世のヴェルサイユ宮殿で、豪華な室内装飾と広大な庭園で、現在でもその姿を見る事が出来ます。

 絵画では、スペインのエル・グレコ(1541年頃~1614年)・ベラスケス(1599年~1660年)やフランドル派のルーベンス(1577年~1640年)・ファン・ダイク(1599年~1641年)等が現れました。

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エル・グレコ:「聖衣剥奪」 1581-86 リヨン美術館

 エル・グレコは肖像画、宗教画を多く残しましたが、「受胎告知」(倉敷・大原美術館蔵)は彼の代表作の1つです。

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ベラスケス:白衣の王女 マルガリータ・テレサ

ベラスケスは、スペインのフェリペ4世の宮廷画家となり、光線の独特な表現で後の印象派の先駆者と成りました。

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ルーベンス:聖母被昇天・アントワープ大聖堂所蔵

 フランドル派の巨匠ルーベンスは、歴史画、宗教画等あらゆる題材の絵画を描きますが、その画風は雄大、劇的、官能的でバロック絵画の代表的な画家の一人です。

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ファン・ダイク:狩場のチャールズ1世・ルーブル美術館

ファン・ダイクは、チャールズ1世の宮廷画家となり、多くの肖像画、宗教画を繊細優美な画風で描きました。

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レンブラント: ベルシャザルの饗宴

 独立後のオランダには、オランダ画派を代表するレンブラント(1606年~69年)が現れ、最盛期のオランダ市民の生活を描きました。
レンブラントは独創的な構図や光と影のコントラストを強調する独自の画風を築き、「光と影の画家」と呼ばれ、彼も多くの作品を残しましたがその代表作には「夜警」が在り、叉近代油絵画法の完成者としても有名です。

 18世紀になると、豪壮華麗なバロック式に替わって、繊細優美なロココ式(ロココはフランス語の貝殻細工から出た言葉)が盛んと成りました。

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サン・スーシー宮殿

 ロココ式を代表する建築は、フリードリヒ2世がベルリン郊外のポツダムに建てたサン・スーシー宮殿で、サン・スーシー宮殿にはヴォルテールをはじめ多くの学者や芸術家が集まり、18世紀東欧の文化の中心地と成りました。

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ヴィヴァルディ(1678年~1741年)

 絵画ではワトー(1684年~1721年)が有名で、叉ヴィヴァルディ(1678年~1741年)・バッハ(1685年~1750年)・ヘンデル(1685年~1759年)等に代表されるバロック音楽が流行したのはこの頃です。

 文学では、ルイ14世時代のフランスで、古典主義文学が盛んと成りました。
古典主義は、ギリシア・ローマの文化(特に詩や演劇)を理想とし、その精神や様式を模倣しようとする文芸上の傾向で、フランスでは17世紀に、イギリスでは17世紀末~18世紀前半に、そしてドイツでは遅れて18世紀中頃~19世紀初期にかけて盛に成りました。

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シャンティイ城のモリエール像

 フランスの古典主義は、宮廷劇を中心に発展し、悲劇作家のコルネイユ(1606年~84年)・ラシーヌ(1639年~99年)、喜劇作家のモリエール(1622年~73年)等が活躍し、特にモリエールは『タルチュフ』・『人間嫌い』・『守銭奴』等の優れた風刺劇を残しました。

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『失楽園』より、アダムとエヴァの楽園追放

 17世紀にピューリタン革命・名誉革命を成し遂げ、市民階級が成長していたイギリスでは、ピューリタン文学や市民小説が盛んとなり、熱心なピューリタンで、ピューリタン革命を熱烈に支持したミルトン(1608年~74年)は、ピューリタン文学の最高傑作である『失楽園』(1667年刊)を著し、旧約聖書の楽園喪失を物語化し、人間を象徴するアダムとサタンの闘争を通して神の摂理を明らかにしようとしました。

 バンヤン(1628年~88年)は、ピューリタン革命に議会派の兵士として参加し、後に妻の影響で熱心なピューリタンとなり、迫害を受け投獄されて『天路歴程』を著し、典型的なピューリタンが天国に至る信仰上の苦闘を描いています。

 18世紀になるとイギリスの植民活動を背景に、デフォー(1660年~1731年)の『ロビンソン・クルーソー』やスウィフト(1667年~1745年)の『ガリヴァー旅行記』のような市民小説が生まれました。

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『ロビンソン・クルーソー』

 『ロビンソン・クルーソー』は、孤島に流れ着いた主人公が、28年間、信仰に支えられて一人で生きぬいて運命を切り開いていく姿を描いた作品で、当時の中産階級の精神に合致していた結果、ベストセラー作品と成りました。

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『ガリヴァー旅行記』

 スウィフトは、アイルランドのタブリンで生まれ、大学卒業後、秘書・聖職者と成り、政治・宗教・学界を厳しく風刺する作品を発表し、またアイルランド抑圧に抗議して政府を攻撃しています。
晩年は不遇でしたが、その中で『ガリヴァー旅行記』(1726年)を著します。

『ガリヴァー旅行記』は、船医ガリヴァーが小人の国・大人の国・馬の国等を旅行する形式を採って、当時のイギリスの現状を厳しく批判・風刺した作品で、イギリス風刺文学の最高傑作の一つに数えられています。

 『ガリヴァー旅行記』の第3編第11章には「著者、ラグナグを去り、日本に航す、ついでオランダ船によってアムステルダムに帰り、更にアムステルダムを経て英国に帰る」とあり、日本にやって来てエド(江戸)で皇帝に拝謁し、ナンガサク(長崎)からオランダ船で帰国した様子が書かれています。

ジョークは如何?

共産党政権、ソ連崩壊後のロシア・・・

ゴルバチョフによる改革も挫折し、民衆はかえって貧しくなる一方。
当然腹いっぱい食べたいのは誰でも同じである。
「なぁ、イヴァン、もういやだで。いつになったら、どうしたら食えるんだ?」
「戦争さ!日本に戦争を吹っかけるんだよ!」
「でもなぁ、かつての世界に誇る黒海艦隊は今や弱体・・・・それに、戦争はアフガンで
懲りたよ。もうこりごりだ。」
「ハハッ!そんなんじゃねぇ。なんも、宣戦布告すりゃいいだけさ。」
「そんなこと言ったって、相手も馬鹿じゃねぇ・・・」
「わからんやつだ。戦闘状態にはいれば白旗掲げて待つだけさ。」
「捕虜になるだけだ!アホらしい。」
イヴァンが腹を叩いて大声で笑って言った。
「どっちがだ?よく聞けよ。日本の捕虜になればたらふく食わせてくれるって話だ。」


続く・・・

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コメント

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秋葉奈津子様 こんばんは。

皆さん神社詣りにお出かけですごい人のようです。
庶民の生活は益々ひどくなってきて貧富の差が広がってきました。

大企業への偏った政策の影響でしょうね。
今年はこそ良い年になってほしいものです。

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葉山左京様、こんばんは。

神社、お寺への参拝は、毎年増えていますね。
特にバブル崩壊後は、急激に増えました。
それ程、神様にお願いする事が、多く成っているのでしょう。

消費税の増税もそれ程安閑としていられなくなり、買い物には、必要か不要か熟慮する事が必要なようです。
中々、庶民の生活は、改善されません。

秋葉奈津子様 こんばんは。

昼の暖かさは16℃でした。
こんなに暖かい正月はめったにないですね。
昨年は寒かった気がします。

明日からまた仕事の方頑張らなければなりませんね。
今年こそは良い年になってほしいものです。

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秋葉奈津子様 こんばんは。

今日は暖かい一日でした。
こちらの北野天満宮では早咲き梅が7分咲きになっています。
桜も咲いたところがありましたね。
このまま春になり、夏になってもらいたいですが、
無理でしょうね。

一方では団地の楓はまだ葉を落とさず、
紅葉がまだ見れます。
季節まで狂ってきているようです。

葉山左京様、こんにちは。

今年は、昨年の1月に比べると、気温が本当に高いです。
昨年の元旦、2日は、横殴りの雪の中をジロくんと散歩しました。
今年は、上着1枚で気楽な散歩が、朝も夜もできます。
只、今年の夏は冷夏になるのでしょうか?
ちょっと心配です。

庭の楓は、木の枝についたまま枯葉に成りました。
この様な姿を見るのは、初めてですし、周囲の山々の紅葉も芳しくありません。
確かに、季節が狂っています。

おはようございます!
最初は上位になりやすいジャンルを見つけることがコツですね~
奈津子さんのような本格的な記事を書いているお方は少ないです。知識を広める意味でもランクは必要です。個人の勝負だけのものではないと思うのです。決断うれしく思います。応援いたします。!