2016/02/19

歴史を歩く174

23 中国文化圏の拡大8

4 明清代の文化①

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永楽帝の文化事業

 元朝をモンゴル高原に退けて、漢民族による中国統一を達成した明朝では、民族的・伝統的文化復興の気運の高まりを背景に、再び儒教が盛んと成りました。
叉、明では朱子学は官学となり、永楽帝の命によって『四書大全』・『五経大全』・『性理大全』等が編纂され、更に中国最大の類書である『永楽大典』も編纂されています。

 『四書大全』と『五経大全』(共に1415年刊)は、『四書』と『五経』を朱子学の説によって解釈した注釈書で、以後科挙試験における解釈の基準と成り、『性理大全』(1415年完成)は、宋・元の性理学(朱子学のこと)の学説を集大成した書ですが、国家が経典の解釈を定めたために、儒学は形式化し、思想の固定化が進みました。

 16世紀初頭、王守仁が陽明学をおこし、「知行合一」を説きました。

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王守仁(1472~1528)

 王守仁(1472~1528)は、陽明と号したので、王陽明と呼ばれることの方が多く、彼は浙江省に生まれ、28歳で進士に合格して官吏と成りますが、有力な宦官と対立したために貴州省に左遷され(1508年)、この地で「心即理」等を悟り、陽明学を創始します。
その後、中央政界に復帰し(1516年)、反乱の鎮圧等に功績をあげ、兵部尚書(長官)に昇進し、1528年には広西省の反乱を鎮圧しましたが、その帰途に没しています。

 王陽明は、南宋の学者で朱子学の主知主義に反対した陸九淵(1139年~92年)の学説を発展させ、「心即理」(万物の本質・人間の本性である理は、情のない理性のうちにあるのでなく、情や欲を含む人間性の中にあるとする説)を唱え、叉知と行(実践)は本来一つのものであり、真の知は必ず行(実践)を伴うとする「知行合一」を唱え、実践的な道徳を説きました。

 陽明学は、一時隆盛を極めますが、王陽明の死後は次第に実践性を失いますが、日本にも大きな影響を及ぼし、江戸時代に中江藤樹(1608年~48年)や熊沢蕃山(1619年~91年)等が知られています。
 
 明末から清初にかけては、朱子学や空論化した陽明学の末流に対して、確実な文献に典拠を求めて儒学の古典を究明しようとする考証学が盛んとなり、明末記清初期には考証学の先駆者とされる顧炎武(1613年~82年)や黄宗羲(1610年~95年)等多くの学者を生んでいます。

 明代文化の特色の一つは、実用や実践を重んじる実学(経世実用の学)が盛んとなったことです。実学は実際の生活・社会に役立つ学問の意味で、明末には多くの技術関係書が刊行されました。

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李時珍(1523年頃~96年頃)

 李時珍(1523年頃~96年頃)が著した『本草綱目』(1596年刊)は、古来の薬草に関する書を中心に、1898種の薬物品種とその処方を集大成した薬物に関する総合書で、日本でも広く読まれ、薬物学の標準書と成りました。

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宋応星(1590年頃~1650年頃)

 宋応星(1590年頃~1650年頃)の著した『天工開物』(1637年刊)は、産業技術の図版入り解説書で、産業部門を農業・織物・染色・製塩・精糖・陶磁器・鉱業・醸造など18部門に分類して、その製造・生産過程を多くの図版を使用して解説している当時としては類を見ない書物です。

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左マテオ・リッチ、右徐光啓

 徐光啓(1562年~1633年、明末に内閣大学士にまでなった政治家であり、早くからマテオ・リッチ等宣教師と親しく、自ら洗礼を受けて入信した政治家・学者)の著した『農政全書』(徐光啓死後の1639年刊)は、古来の農学書の諸説を12部門に分類・整理して記述した農政関係の総合書です。

 叉同じく徐光啓がアダム・シャール等イエズス会宣教師の協力を得て西洋暦法によって編纂した『崇禎暦書』(1634年刊)等多くの技術関係書が刊行されました。
 
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弓を射る呂布(清朝期の三国志演義の挿絵)

明代には宋・元以来の庶民文化も栄え、小説では「四大奇書」と呼ばれる『三国志演義』・『水滸伝』(北宋末に梁山泊を根拠地として活躍した義賊の豪傑108人をめぐる武勇物語)・『西遊記』・『金瓶梅』が現在の形にまとめられました。

 戯曲では、夢に見た書生に恋こがれて死んだ娘が再生して書生と結ばれるという伝奇的な『牡丹亭還魂記』が代表作とされています。

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菊花文禽図 沈周 明 大阪市立美術館

 絵画では、文人画系の南宗画(南画)が明代に最盛期を迎え、南画は、細い・柔らかい描線を重ねて山水を水墨で描く画法で、董其昌(1555年~1636年)によって大成され、これに対して北宗画(北画)は、院体画系で、仇英(16世紀前半)等が出て栄えました。

 工芸では、コバルトを用い、青色で絵を焼き付けた陶磁器である染付や赤・緑・黄・黒・青等の釉薬(うわぐすり)で文様を描いて焼いた陶磁器である赤絵(特に赤が多く用いられたので赤絵と呼ばれた)等すぐれた陶磁器が景徳鎮等で作られました。

ジョークは如何?

原潜の世界最長潜水記録は我が国の潜水艦が保有している。
「ノブゴロド」は1950年以来未だに潜水して記録を更新中である。


続く・・
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コメント

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秋葉奈津子様 こんばんは。

朝は寒い日が続いていますが、
昼間は暖かくなりました。

しだれ梅も咲きだし、
梅がかなり咲き出しています。

でも京都の植物園ではまだまだの咲き方でした。
満開まで時間がまだかかりそうです。

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秋葉奈津子様 おはようございます。

週末は暖かく外にお出かけです。
土筆がもう宇治川の土手に生えているようです。
春を探しに行ってきます。

葉山左京様、おはようございます。

おはようございます。
2月20日、土曜日のご挨拶です。

昨日は雨水でした。
暦の通り、今日は暖かい中、雨が降っています。
此れから、少しづつ暖かいさを実感する日が増えて行きそうです。
天気予報では、今日の九州地方は大荒れになるとのこと。
春の嵐には、要注意です。

川原を散歩出来て良いですね。
此方は、平成に成って近所の小川が暗渠に成りました。

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秋葉奈津子様 こんにちは。

今日はいい天気になりました。
風は冷たいですが少し暖かく感じられます。

昨日の雨模様だったので
今日は京都シティーマラソンの開催日なので晴れて関係者はほっとしたと思います。

もうすぐシティーマラソンも終わる頃でしょう。
ゴールは平安神宮です。

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葉山左京様、おはようございます。

昨日の日曜日は、大変良いお天気に恵まれました。

此方北九州でもシティマラソンが開催され、子供から大人迄、沢山の選手が参加しました。
特に5kmのマラソンは、子供達に人気があり、参加も抽選になる程の盛況だった様です。

今日から又お天気は下り坂です。
流石に雪の予報は在りませんが、今夜から雨模様に成りそうです。

秋葉奈津子様 こんばんは。

暖かいようで寒い日が続いています。
春はすぐそこまで来ているようですが、
まだまだの感じですね。

土筆が出たり、菜の花が咲いたりで春らしき気配があるのですが、
暖かさが長く続きませんね。
今週もよろしくお願いします。

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葉山左京様、こんばんは。

中々お天気が安定しませんが、季節は確実に春に向かっていますね。
今日は、満月。
月の昇る位置も少しづつですが、南に向かっています。
春分の日には、月も太陽もほぼ同じ位置から昇る様に成りますから、後1ヶ月の辛抱でしょうか。
未だ、北九州では菜の花の姿を見ません。
やはり、日照時間が少ないですから、仕方がないですね。