fc2ブログ
2009/01/03

アンデスの昔話(Ⅸ)

パコ「シャーマン」について (後編)

inc_convert_20090103210636.jpg

シャーマニズムの概念は、あまり広く一般には知られていません。
シャーマンの起源は、「人類の夜明け」、人類がこの世に誕生した頃に遡ります。
世界中にシャーマンは存在してきましたが、一般の人々の理解度の違いにより、各地域でのシャーマンに対する受け入れ度合いは大幅に違います。

昔、西欧諸国では、キリスト教による宗教裁判の影響で、カトリック世界と相反するシャーマ達を、魔女や黒魔術を使う悪魔使いの異端者と呼び、無理矢理処罰をしていました。
公衆の面前で火あぶりにされたり、絞首刑にしたり、過酷な体罰を与えて尋問したり、少しでも反宗教を匂わせたものは、告発され異端審問にかけられ厳格な処罰を受けてきました。

大昔から続く伝統的な集落では、シャーマンは村の長(おさ)として、病院はないので現代の医師と同等の治療師として尊敬されています。
ネイティブの村(集落)では、シャーマンの幅広い知識と技術は、人々に崇拝されてきました。
今でも、多くの人々に高く評価され敬われています。

 シャーマンは目に見えないエネルギーと働き、歌や祈り・踊りにより多次元と交信しては、必要な情報を取り寄せて人々の魂・心・体を癒し、薬草や花・樹木などの効能に卓越していて、自然界と調和して生き、リーダーとしても大きな力を持っています。
アマゾンのシングー、シピボ、 ティティカカ湖近くのカラワヤ、アヤラチ、海岸地方のクラカ、山岳地方のパコ、ヤティリなどの先住民部族のシャーマンは、千里眼、語り部、歌い手、ミュージシャン、ダンサーetcとして知られています。

 人々は、治療のお礼として、シャーマンに様々なものを贈ります。
報酬の有無に関係なく、常にシャーマンは特別な大きなセレモニーの前に、必ず大宇宙の聖霊達と繋がり、歌や踊りを介して全生命のために、断食・禁欲をして長時間祈り続けます。
そして、全村人と共に、冬至、夏至などの特別な日に、雨、雷、山々、動植物、農産物etcの聖霊を招いて、大きな祭りを開催します。

 近代の西洋諸国の人々は、「動物のスピリットの力」「魂の旅」「夢の解釈」などシャーマンの伝えるメッセージを、ファンタジーや子供の頃からの空想、作り話だと見下して、シャーマンの仕事を過小評価してきました。
古代は西洋の人々もシャーマニズムの知識を持っていましたが、世界が近代化するのつれて、過去や無意識下に封じ込め、純粋な魂の力を忘れてしまいました。

 そして、ネイティブの人々の生活様式を、「過ぎ去った大昔の野蛮な原始人の生活を、未だに信仰している時代錯誤した、流行やテクノロジーの進化に遅れ見捨てられた、可愛そうな人達」などというレッテルを貼っては馬鹿にして、受け入れようとしません。
シャーマンの行う、火・歌・踊り・供物・祭りなどの、神聖な儀式のもたらす偉大な力を理解するための、人生での経験がない為、自らの狭い観念のフィルターを通して物事を見るので、的を得た説明ができないのです。
又、シャーマンがどこまで様々な次元を支配して、計り知れない深い智慧を持ち、信じられない程の神秘的な力で、なぜ、この現実世界を動かすことができるのか、全く理解できないでいます。

 私達の魂は、人類の原初の頃と、深い繋がりを保っています。ですから、私達皆がシャーマンであると言えるのです。
 
 シャーマニズムは、宗教のひとつではありません。聖職者もいません。
教会もありません。成すべき任務も戒律もありません。
シャーマンはどこにも属していないので、模範となる形や技術を学校で勉強する必要もなく、自らの独特の経験で見えない領域を独学し、自分流の技を確立して働きます。
自然界のスピリットを呼ぶのではなく、スピリットはいつでも周りにいることを知っているので、彼らを見て話し掛けては一緒に生を分かち合う、神聖な遊びをしているのです。
全てのシャーマンが宇宙の神秘に精通していて、どんなことでも独流で説明でき、大宇宙と同じくらいの限界のない幅広い知識を持っています。

 シャーマンは、自己の外側にも内側にも、神を探し求めません。探すという行為は、その時点で、探す必要のある対象を作ってしまうのです。
神を表すときに、頭の中に浮かび上がってくる様々な観念から観念へと迂回しては遠回りすることなく、忙しい思考を手放して、子供のような純粋な気持ちでいれば、即神であることを知識を越えた体験で会得してるのです。
過去でも未来でもなく「今ここ」に全意識を集中して、調和から乱れている箇所に宇宙エネルギーを繋げ、治療やセラピーをして調和させ神の意識に繋げます。


 シャーマンは聖人ではありません。
大宇宙の大調和へ導く、家族のように親しみのある「道先案内人」です。

アンデスの昔話は、今回で終了致します。

 


スポンサーサイト



コメント

非公開コメント