歴史を歩く189
1フランス革命とナポレオン
1旧制度の矛盾

アンシャン・レジームの風刺画
革命以前、フランスの政治・社会体制は旧制度(アンシャン・レジーム)と呼ばれ、旧制度のもとでは、フランスの国民は3つの身分に分かれていました。

各身分の比率
第一身分は聖職者(僧侶)、その数は約12万人で、フランス総人口の約0.5%、第二身分は貴族で、約40万人、全人口の約1.5%でした。
第一身分の聖職者と第二身分の貴族は特権身分・支配階級であり、合わせて総人口の約2%にしか過ぎない第一身分と第二身分で全フランスの耕地の約40%を所有し、又国家の重要な官職を独占し、しかも免税の特権を持ち、多大な年金を支給されていました。
第三身分は平民で、フランス全人口約2500万人の約8割(2000万人)を占める農民と約450万人の市民(ブルジョアジー)から形成されていましたが、彼等には政治的発言権は認められていませんでした。

革命以前の農民家庭
市民は、富裕市民(上層ブルジョアジー、大商人・金融業者・徴税請負人・大地主等)・中流市民(商工業者等)・無産市民(下層市民、職人・徒弟・労働者等)に分けられるが、大部分は無産市民でした。
富裕市民や中流市民は経済の発展に伴って富を蓄積し、経済的な地位を向上させていた為、その実力に相応する政治上の権利を要求していました。
之に対して、人口の約8割を占める農民はフランス全耕地の30~40%を保有したに過ぎず、殆どは貧しい小作農で在り、農民も富農・自営農民・貧農に分けられますが、大部分を占める貧農は領主の搾取や国家の租税の為に苦しい生活を余儀なくされていました。

Le Rappel des Glaneuses (The Recall of the Gleaners):ジュール・ブルトン(Jules Breton1827−1906)
フランス革命直前のフランス社会については、イギリスの農業経済学者のアーサー・ヤングが『フランス旅行記』に書き残していますが、その中で貧しい農民の生活について次のように記述しています。
「1789年7月12日、馬を休ませる為に長い坂を歩いて登っていた時に貧しい女と一緒になったが、彼女は時勢をかこち悲しい国だと嘆いた。そこでその訳を尋ねると、女が言うにはこうだった。「私の亭主は一片の狭い耕地と一頭の牝牛と一頭の痩せた馬しか持っていないのに、私たちは一人の領主に地代として1フランシャルの小麦と3羽の雛を、もう一人の領主には地代として4フランシャルの小麦と1羽の雛と1スーの貨幣を払わなきゃならない、もちろんこの他に重い人頭税や他の租税が課されている。・・・この女は近くで見ても60歳か70歳に見えるだろう。それ程労働の為に女の腰はまがり、顔は皺を刻み強張っているのだ。しかし、女の言うところでは、未だ28歳に過ぎないとの事だった。・・・下層階級の生活状況の、両王国におけるこの差異は何によるのだろうか。政治によるのだ。・・・」
この様にフランス革命前のフランスは旧制度の下で、多くの政治的・社会的矛盾を抱え、経済の発展に伴って富を蓄積し、経済的な地位を向上させていた市民階級は、商工業の自由な活動を制限する不合理な旧制度に不満をもち、現状を打破しようとしていたのです。
不合理な伝統や権威を批判した啓蒙主義は彼等に大きな思想的影響を与え、又イギリスにおける立憲政治の確立やアメリカ独立革命の成功も大きな影響を及ぼしたのです。
ジョークは如何?
二日酔いで議会に出席したチャーチル。
女性議員が不謹慎だと批難すると、チャーチルは反論して曰く
「私の二日酔いは明日になれば治るが、あンたのその顔は永遠に治らんよ」
続く・・・
1旧制度の矛盾

アンシャン・レジームの風刺画
革命以前、フランスの政治・社会体制は旧制度(アンシャン・レジーム)と呼ばれ、旧制度のもとでは、フランスの国民は3つの身分に分かれていました。

各身分の比率
第一身分は聖職者(僧侶)、その数は約12万人で、フランス総人口の約0.5%、第二身分は貴族で、約40万人、全人口の約1.5%でした。
第一身分の聖職者と第二身分の貴族は特権身分・支配階級であり、合わせて総人口の約2%にしか過ぎない第一身分と第二身分で全フランスの耕地の約40%を所有し、又国家の重要な官職を独占し、しかも免税の特権を持ち、多大な年金を支給されていました。
第三身分は平民で、フランス全人口約2500万人の約8割(2000万人)を占める農民と約450万人の市民(ブルジョアジー)から形成されていましたが、彼等には政治的発言権は認められていませんでした。

革命以前の農民家庭
市民は、富裕市民(上層ブルジョアジー、大商人・金融業者・徴税請負人・大地主等)・中流市民(商工業者等)・無産市民(下層市民、職人・徒弟・労働者等)に分けられるが、大部分は無産市民でした。
富裕市民や中流市民は経済の発展に伴って富を蓄積し、経済的な地位を向上させていた為、その実力に相応する政治上の権利を要求していました。
之に対して、人口の約8割を占める農民はフランス全耕地の30~40%を保有したに過ぎず、殆どは貧しい小作農で在り、農民も富農・自営農民・貧農に分けられますが、大部分を占める貧農は領主の搾取や国家の租税の為に苦しい生活を余儀なくされていました。

Le Rappel des Glaneuses (The Recall of the Gleaners):ジュール・ブルトン(Jules Breton1827−1906)
フランス革命直前のフランス社会については、イギリスの農業経済学者のアーサー・ヤングが『フランス旅行記』に書き残していますが、その中で貧しい農民の生活について次のように記述しています。
「1789年7月12日、馬を休ませる為に長い坂を歩いて登っていた時に貧しい女と一緒になったが、彼女は時勢をかこち悲しい国だと嘆いた。そこでその訳を尋ねると、女が言うにはこうだった。「私の亭主は一片の狭い耕地と一頭の牝牛と一頭の痩せた馬しか持っていないのに、私たちは一人の領主に地代として1フランシャルの小麦と3羽の雛を、もう一人の領主には地代として4フランシャルの小麦と1羽の雛と1スーの貨幣を払わなきゃならない、もちろんこの他に重い人頭税や他の租税が課されている。・・・この女は近くで見ても60歳か70歳に見えるだろう。それ程労働の為に女の腰はまがり、顔は皺を刻み強張っているのだ。しかし、女の言うところでは、未だ28歳に過ぎないとの事だった。・・・下層階級の生活状況の、両王国におけるこの差異は何によるのだろうか。政治によるのだ。・・・」
この様にフランス革命前のフランスは旧制度の下で、多くの政治的・社会的矛盾を抱え、経済の発展に伴って富を蓄積し、経済的な地位を向上させていた市民階級は、商工業の自由な活動を制限する不合理な旧制度に不満をもち、現状を打破しようとしていたのです。
不合理な伝統や権威を批判した啓蒙主義は彼等に大きな思想的影響を与え、又イギリスにおける立憲政治の確立やアメリカ独立革命の成功も大きな影響を及ぼしたのです。
ジョークは如何?
二日酔いで議会に出席したチャーチル。
女性議員が不謹慎だと批難すると、チャーチルは反論して曰く
「私の二日酔いは明日になれば治るが、あンたのその顔は永遠に治らんよ」
続く・・・
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コメント
からりと晴れたいい天気になりました。
GW最後の日は近所の小学校から、
運動場で遊ぶ元気な子供たちの声が聞こえてきました。
まだ半そでだけでは寒く、
長袖のシャツが必要です。
明日からまた新たな気持ちで、
頑張らないといけませんね。
2016-05-08 16:03 葉山左京 URL 編集
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2016-05-08 23:35 編集
葉山左京様、おはようございます。
5月も明日中旬、時の流れを早く感じてしまいます。
ツバメが雨の中を元気に飛び回っています。
子供達の元気は声がする。
良いですね。
此方は、子供達の数が本当に少なく、日曜日でも公園は静かなものです。
私が子供の頃は、公園も境内も場所取りで、大変だったことを思うと、時代の流れを感じます。
遊び方が変わったと言ってしまえば、それまでですが、やはり子供達の声が聞こえない公園は、寂しいですね。
2016-05-09 06:33 秋葉 奈津子 URL 編集
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2016-05-09 23:25 編集
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2016-05-10 02:59 編集
葉山左京様、おはようございます。
気温も低めで、長袖が必要な気温です。
青空が懐かしく思えます。
2016-05-10 06:40 秋葉 奈津子 URL 編集
一日中雨が降っています。
激しくはないですがサラサラと降っています。
明日も降水確率90%のようで、
梅雨のような雨の降り方です。
山科川の土手はとても賑やかに
雑草の花が一面に咲いています。
今までに見たこともない花も
咲いています。
燕やカワセミや鵜なども飛び交っています。
2016-05-10 22:09 葉山左京 URL 編集
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2016-05-10 23:28 編集
梅雨のような雨の降り方でしたが、
今夕は青空が見え太陽の暖かい光が
射してきました。
やはり太陽の光を見るとほっとします。
今度の日曜日15日には京都三大祭りの「葵祭」が開かれます。
斎王代.勅使らが行列して御所から下賀茂、上賀茂神社とめぐり歩きます。
雨が降らなけれbがいいですが。
2016-05-11 21:43 葉山左京 URL 編集
葉山左京様、こんばんは。
素晴らしい青空、そして綺麗な星空が、戻ってきました。
只、気温が少し下がって、夜は肌寒く感じます。
今日は、トレーナーを一枚羽織ってちょうど良い感じです。
明日から暫く良いお天気が続きそうです。
2016-05-11 23:37 秋葉 奈津子 URL 編集
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2016-05-12 00:04 編集
暑い一日でしたが、
朝晩は冷えますね。
気温の変化が激しいので、
体調がついていきません。
京都は明日29℃の予報です。
このところの気温のせいでしょうか、
遊歩道の雑草がかなり伸びてきました。
草木のせいが伸びるのはアッと言う間ですね。
2016-05-12 20:10 葉山左京 URL 編集
葉山左京様、こんばんは。
雑草の成長は、尋常ではなく、雨が降るたびに地面が見えない程に広がっていきます。
勤務先の緑地帯も何時の間にか、空間がなくなる程に葉が茂りました。
植物の成長は、本当に早いと感じます。
2016-05-12 23:31 秋葉 奈津子 URL 編集
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2016-05-12 23:39 編集
窓からまぶしいくらいの光が差し込んできます。
今日の昼間は29℃の予報です。
夏日が続くようで、
暑いでしょうね。
九州はそうでもないですか。
京都は夏日、真夏日、猛暑日と日本で一番多い都市だそうです。
これからは暑い日が続きそうです。
お体大事にお過ごしください。
2016-05-13 05:53 葉山左京 URL 編集
葉山左京様、おはようございます。
北九州も朝晩は未だ、空気冷たいですが、日中は初夏の陽気に成りました。
ツバメが元気に飛び回り、蝶や蜜蜂も花を探して舞っています。
このまま、良いお天気が続くと良いのですが・・・。
2016-05-14 06:43 秋葉 奈津子 URL 編集