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2017/11/12

歴史を歩く176

39アジア諸国の変革と民族運動⑥

5辛亥革命と中華民国の成立(その2)

袁世凱
袁世凱(清国内閣総理大臣時代)

 武昌で革命が起こると(1911年10月、清朝はこれを鎮圧するために、当時隠退していた袁世凱を登用しようと考えます。
袁世凱(1859年~1916年)は河南省出身で、科挙試験に失敗、呉長慶(李鴻章系の重要人物)の幕僚となり、呉長慶が朝鮮に派遣されると彼も朝鮮に同行し、壬午の変(1882年)・甲申の変(1884年)で軍功をあげ李鴻章の信任を得、日清戦争後、新軍(洋式軍隊)の建設に従事し実力者にのし上がって行きました。

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義和団事件(八カ国連合軍)

 戊戌の変法(1898年)で変法派を裏切り、西太后の信任を得て山東巡撫と成り、義和団事件が起こるとこれを弾圧する一方で、自己軍隊の温存に努め、李鴻章が没すると、その後を継いで直隷総督兼北洋大臣に就任(1901年)、更に軍機大臣に迄台頭しますが(1907年)、その翌年満州貴族に警戒されて罷免されます。

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袁世凱、中華民国臨時大総統に就任

 しかし、辛亥革命が起こると清朝は袁世凱を再び起用し、彼を総理大臣に任命して軍・政の全権を与えました。
袁世凱は、革命派に戦争継続が無力であることを見抜き、革命派と取引きにより清の皇帝を退位させることを条件に臨時大総統に就任することを承諾させます。

 孫文等革命派も、中華民国を建国したものの、武力も財力も乏しく、袁世凱の軍に勝つ力も持ち合わせておらず、民主共和国を守る為に袁世凱の取引に応じ、清の皇帝を退位させることを条件に、袁世凱に臨時大総統の地位を譲ることを密約します(孫袁密約)。
袁世凱は密約に従って、あくまで帝政を主張する満州人貴族を威圧し、皇帝の称号を廃さず紫禁城に住むことを条件に宣統帝溥儀を退位させました。

宣統帝溥儀
宣統帝溥儀 3歳

 1912年2月12日、宣統帝溥儀(在位1908年~12年、醇親王(光緒帝の弟)長子、2歳で即位し、後に満州国皇帝)は退位し、太祖ヌルハチ以来12代297年間続いた清(1616年~1912年)は終に滅亡します。

 同年3月、袁世凱は臨時大総統に就任し、アジアで最も民主的と云われた臨時約法(仮憲法)を公布し、袁世凱が臨時大総統に就任、御用政党である共和党を結成すると(1912年5月)、中国同盟会は共和党に対抗するために、他の4党と合併して国民党と改称しました。

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宋教仁

 国民党は宋教仁(1882年~1913年)を事実上の党首として、1913年2月の総選挙で圧勝した結果、袁世凱の弾圧を受け、宋教仁は暗殺されます(1913年3月)。
袁世凱の専制と国民党弾圧に対して、江西の李烈鈞(1882年~1946年)等が討袁の兵を挙げますが袁世凱に鎮圧されます(第二革命、1913年7月)。

 1913年10月、袁世凱は正式大総統に就任、11月には国民党を解散させ、翌1914年には国会を停止し、大総統の権限を大幅に強化した新約法を公布します(1914年5月)。

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二十一カ条の要求に対する抗議集会

 この頃、孫文は東京で中華革命党を結成し、第二革命失敗後の革命勢力の再建を目ざし(1914年7月)ますが、1914年に始まった第一次世界大戦は、中国をめぐる国際関係を一変させ、イギリス・フランス・ドイツ・ロシアの各国はヨーロッパ戦線に全力を注いだ結果、アジアを顧みる余裕は無く、この間に中国への独占的進出を図った日本は、1915年1月に二十一カ条の要求を突きつけ、袁世凱は初めこそこの要求を拒否しますが、結局日本の武力に屈して5月には要求の大部分を受け入れてしまいます。
その一方で、国内では独裁権を更に強化した袁世凱は、1915年8月頃から帝政運動を展開し、12月には国会に工作して皇帝推薦を決議させ、即位を受諾して翌1916年1月1日皇帝即位式を予定します。

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天壇で皇帝となる儀式を行う袁世凱

 しかし、この帝政計画に対しては内外から激しい反対が起こり、雲南の唐継堯等は帝政に反対して雲南の独立を宣言して討袁軍を起こしますが、この第三革命(1915年12月)は各地に波及し、又日本をはじめとする列強も帝政に反対しました。

 内外から激しい反発を受けた袁世凱は、1916年3月に帝政計画を取り消し、間もなく失意の内に病死します(1916年6月)。
袁世凱の死後、地方では列強の援助を受けた軍閥(軍人の私的集団で、私兵を擁して特定地域を支配した)諸勢力が北京をはじめ各地に分立して、相互に抗争を続けた結果、以後10数年に渡って不安定な軍閥抗争時代が続くことになります。

名言集

自由はひとたび根付きはじめると、急速に成長する植物である。

Liberty,when it begins to take root, is a plant of rapid growth.

ジョージ・ワシントン


続く・・・


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コメント

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秋葉奈津子様 こんばんは。

青空が広がり、太陽の光が降り注ぐと、
朝の寒さが吹き飛んでいました。
暖かい一日でした。

紅葉がどこもきれいになり、
ライトアップをどこの寺院もやりだし、
観光客や修学旅行生が朝早くから夜遅くまで見に回っています。

見ていますと、本当にお疲れ様ですと言ってあげたいほどです。


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秋葉奈津子様 こんばんは。

朝からの雨が気温を下げました。
風が強くないのでそう感じませんが、
寒さが厳しくなってきたので、
秋が過ぎて初冬に入った気がします。

早11月の中旬になりました。
紅葉も今が真っ盛り、
枯葉が風に舞い、
道端に吹き寄せられて、
あちらこちらと落ち葉の絨毯を見かけます。
もうすぐ冬枯れの季節が始まります。

葉山左京様 こんばんは。

明け方からどんよりしたお天気は、出勤時間には、弱い雨になりました。
その雨も昼前に上がり、雲は多いものの、あ天気回復です。
朝晩は、気温も下がりますが、日中はそれ程でもありません。

昨日は、福岡県と大分県の県境に添田町迄、ジロくんと一緒に紅葉を見に行きましたが、未だ少々早かった様です。
添田町の南には、修験の山、英彦山が聳えています。
ちょうど、地元の小学生がどんぐりや紅葉を集めていました。
そう言えば、私も子供の頃、その様な記憶が在ります。
当時は、北九州市も郊外は、正に田舎の雰囲気でした。
私の通った小学校は、入学時、北九州市小倉区で一番南にある小学校で、1学年が10クラス以上のマンモス小学校で、2年生迄通う分教所が、3箇所もあり今では、想像もできない事です。

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秋葉奈津子様 こんばんは。

毎日の寒さに体が慣れてきたのでしょうか、
一時ほど寒さを感じなくなりました。
服装は冬装備ですが。

明日はもっと冷えると予報は言っています。
こちらもどんぐりの実が道端に落ちています。
今の子供たちはあまりどんぐりの実を拾いません。
遊び方を知らないのでしょうね。
ヤジロベー造ったり、独楽を作ったりできるのですが。

葉山左京様 こんばんは。

北西の風が、吹き始め寒さを感じる1日でした。
北九州市で、北西方向から吹く風は、大陸からの季節風です。

その風のお陰で、夜の空は、星の瞬乾が何時にもましています。
プレアデス星団や東に昇るオリオン座の星たちが、一層妖艶に見えます。

最近の子供達、特に都会育ちの子供達には、昔の遊びは無理でしょう。
私でも、子供の頃は、模型で遊ぶ事が殆どでした。
昭和40年代から、昔の遊びは、急速の姿を消したようです。

ベイゴマ、メンコ(パッチン)、紙芝居、チャンバラ等の遊びは、プラモデル、ラジコン、テレビ等に急速に変わっていきました。
私も恥ずかしながら、上記の遊びやヤジロベー等は作った事がありません。
ゴム動力の飛行機は、良く作って、小学校の校庭で飛ばしたものです。

ゆみさん、こんばんは。

北西の風が、吹き始め寒さを感じる1日でした。
北九州市で、北西方向から吹く風は、大陸からの季節風です。

その風のお陰で、夜の空は、星の瞬乾が何時にもましています。
プレアデス星団や東に昇るオリオン座の星たちが、一層妖艶に見えます。

今日は、全く送信ができません。
不正な投稿と判断されてしまいます。
私のブロクのコメントラ欄からの送信です。

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葉山左京様 こんばんは。

寒さを一段と感じる様になってきました。
日中と朝晩の寒暖の差も大きくなり、紅葉もそろそろ見頃でしょうか?
ジロくんの換毛期も終盤になり、冬支度が始まりました。
これから一雨毎に寒さも強く感じる事でしょう。

私が小学生の頃は、皆テレビに夢中の時代。
テレビの番組に合わせて、一日のサイクルが回っていた様に思います。
NHKの教育番組を授業に取り入れる事も、小学校低学年の頃に始まり、教室にテレビが1台の時代になりました。
今では、考えられない様なお話ですが、毎週土曜日の3時から4時は、人気番組「サンダーバード」の放映時間。
この時間だけは、校庭から生徒の姿が消える時間でもありました。
私の家でも4人から5人が毎週、テレビの前で真剣に画面を見つめていました。
皆真剣にストーリーを追いかけていたものです。
当時は、番組を家庭で保存する媒体は皆無なので、番組を眺める姿は真剣そのものでした。

秋葉奈津子様 こんばんは。

シベリア寒気団が南へ下がって来て、
冬の寒さをもたらしています。
帰宅途中の夕方は暗くなってはいますが、
西の空にまだ青空を見ることが出来ます。

その頃はまだ星たちが出ていません。
冬の星座はきれいでしょうね。
夜は寒いので中々星々を見る機会がないですね。

信州のゆみさんへ

北九州も朝晩は、寒くなってきましたよ。
今日は終日、北西の風が結構強く、関門海峡も白波が立っていました。
こちらでも、冬の星空は、結構綺麗ですが、空気の良い信州は、もっと綺麗な星空が広がっているのでしょうね。
若い頃、九重の高原で眺めた星空は、本当に素晴らしかったです。
特に感動だったのは、夜空を良き切る天の川の姿でした。
これだけは、空気の澄んだ場所でなければ、見る事は叶いません。
そんな、豊かな自然に抱かれた、信州にお住まいのゆみさんを羨ましく思います。

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秋葉奈津子様 おはようございます。

今朝は4℃の寒さです。
家の前の広葉樹の木々の葉が、
落ち葉になって道路一面茶色の絨毯を敷いています。
刈れた葉っぱの音がぱりぱりと音を立てます。

クリスマスの音楽が街中を流れています。
もう師走まじかです。
もう一年が終わります。
早いですね。

葉山左京様、こんばんは。

今日は、寒い一日でした。
明け方の気温は、8度、日中の気温は15度前後ありますが、先週迄20度前後の気温の中に居た身には、流石に北風は堪えます。
朝から、太陽の姿も殆ど見えず、先ほどから雨も落ち始めました。
今日の夜は、まとまった雨になるかもしれません。
明日は、お休みですが、午前中迄、雨が残りそうです。

こちらでは、未だクリスマスソングは、流れていません。
イルミネーションも例年に比べ、少ないようです。

信州のゆみさんへ

今日は、寒い一日でした。
明け方の気温は7度、日中は15度前後の気温ですが、流石に北風は堪えます。
朝から、太陽の姿も殆ど見えず、先ほどから雨も落ち始めました。
今日の夜は、まとまった雨になるかもしれません。
明日は、お休みですが、午前中迄、雨が残りそうです。

少し、星の話をしましょうか。
私が、星に興味を覚えたのは、南十字星が最初の出会いでした。
未だ、小学校に入る前、南十字星と言う名前に何か、惹かれるものがあったのでしょう。
色々と調べるうちに、南十字星は、その全体を日本から見る事ができない事。
南半球を中心に見る事ができる星座であること。
日本でも、南西諸島では、何とか水平線上に南十字星を構成する星が、一つだけ見える事等を知りました。
星座の名前を覚え始めたのもその頃でした。
ちょうど、NASA(アメリカ航空宇宙局)の有人衛生ジェミニや無人火星探査機マリナーが盛んに打ち上げられ、宇宙から見た地球の姿や、火星の表面写真が、毎日の様にテレビや雑誌に載る時代でした。
その様な環境だったので、ロマンチックな星座の話よりも、宇宙の色々な事を知りたくなって、結構本も読みました。
(星座に因んだロマンチックなお話は、小学校高学年から中学時代に仕入れました)
やはり、色々と知識が付いて来ると、星を眺める目線も変わりますが、最近は単純にその美しさに惹かれる事が多いです。
特に空気の澄んだ場所では、夜になったどんな夜空が広がるか、ワクワクした気持ちになります。
その様な時の夜空は、本当に綺麗で、一晩中眺めていたくなりますよ。
きっと、信州の夜空は、満天の星の世界と思っています。

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秋葉奈津子様 こんにちは。

朝からの雨が厳しい寒さをもたらしています。
大陸からの高気圧でしばらく寒さが続きそうですね。

この寒さにめげず観光客や修学旅行生が大勢押しかけています。
ホテルの前にはタクシーが並び修学旅行生が貸し切りで回るようです。
今と昔ではえらい違いです。

葉山左京様 こんばんは。

今日は寒い1日です。
雨は殆ど降りませんが、北風が大変強く、風が吹く度に落ち葉が乾いた音を立てながら地面を流れて行きます。
先週は暖かい毎日だったので、余計に寒く感じるようです。
今日は、ジロくんも何時もより早く、部屋に入りました。
今は、お気に入りの場所で、眠っています。
普段は、外生活のワンくん達にも、寒い季節は、やはり嫌いな様です。

最近の修学旅行は、様変わりしましたね。
タクシーとは、私の頃とは、大きな隔たりが在り、想像すらできません。
私達は当然ながらバス利用、只、1クラス1台割り当てだったので、大変リラックスな就学旅行でした。
確か、清水寺の駐車場で、他県の就学旅行皆さんから、「すごい!1クラスバス1台で旅行してる!」と羨ましがられた事は、覚えています。

信州のゆみさんへ

今日は寒い1日です。
雨は殆ど降りませんが、北風が大変強く、風が吹く度に落ち葉が乾いた音を立てながら地面を流れて行きます。
先週は暖かい毎日だったので、余計に寒く感じるようです。
今日は、ジロくんも何時もより早く、部屋に入りました。
今は、お気に入りの場所で、眠っています。
普段は、外生活のワンくん達にも、寒い季節は、やはり嫌いな様です。

星についての基本のお話

夜空を彩る星には、恒星・惑星・準惑星・彗星・星団があります。
自ら太陽の様に光を発している星が恒星。
恒星の光を受けて光る星が惑星・準惑星・彗星。
恒星の巨大な集団が星団。

太陽系に関して言えば、太陽の光のおかげで、惑星の大気が反射して、姿を確認できるのが水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星と準惑星の冥王星などです。
最近は、太陽系外惑星の探査が進み、惑星を従えた恒星が、可也の数発見されています。
この発見の発端は、惑星の恒星面通過による、光度変化が観測された事が始まりで、1970年代半ば頃でした。
彗星は、原則として太陽系の一員で、太陽を回る軌道要素から種族が存在します。
彗星が光を発するのは、太陽に接近した時のみで、常に彗星の尾は、太陽の反対に発生します。
星団(星雲)は、恒星の集団で、太陽系が属している銀河系、有名なアンドロメダ星雲、マゼラン星雲等があります。
地球外生命体に関する研究も進んでいますが、現在公式に地球外生命体の実証例は、ありません。
その姿形も多分、人類の想像を凌駕するものと思われます。

少々専門的になりましので、続きは又別の機会に。