歴史を歩く190
41ヴェルサイユ体制下の欧米⑤
5フランスの政情

ポン=タ=ムッソン - ドイツ軍の到着前に爆破された橋
フランスは第一次世界大戦で国土が戦場と成り、戦争の被害が最も大きく、戦勝国にもかかわらず戦後経済的・社会的苦難に直面しました。
その為、戦後のフランスではドイツに対する報復姿勢が強く、パリ講和会議ではドイツへの制裁を強く要求し、出来る限り重い賠償義務を課そうとします。

ジョルジュ・バンジャマン・クレマンソー(Georges Benjamin Clemenceau、1841年9月28日 - 1929年11月24日)
パリ講和会議にフランス全権として出席したクレマンソーは、1920年の大統領選挙に敗北して政界を引退し、1922年に首相となったポワンカレ(ポアンカレ、在任1922年~24年)は、ドイツに対する強硬政策を取り、1923年1月にはドイツの賠償不履行を理由にベルギーと共にルール占領(ルール出兵)を強行しますが、この背景にはフランスが、ドイツの賠償金総額の52%を受け取る事になっていた為でした。

1923年、エッセン市内を行進するフランス軍騎兵
しかし、ドイツがストライキ等で抵抗した為にドイツ経済は混乱に陥り、フランスも得るところなく1925年にはルールから撤兵を余儀なくされます。
こうした対独強硬策の失敗が明らかになる中で、ポワンカレ内閣は国民の支持を失い、1924年5月の総選挙では左派連合が過半数を獲得し、急進社会党のエリオ(1872年~1957年)を首班とする左派連合内閣(1924年~25年)が成立します。

アリスティード・ブリアン(Aristide Briand, 1862年3月28日 - 1932年3月7日)
左派連合内閣で外相を務めたブリアン(1862年~1932年)はドイツとの協調に政策を転じ、ルールから撤兵(1925年5月)、ロカルノ条約(1925年10月)を結んで独仏関係の好転に努力し、彼はその功績によってノーベル平和賞を受賞しました(1926年)。
左派連合内閣はソ連を承認する(1924年10月)等対外問題では実績を上げましたが、国内ではインフレを克服できず、1926年7月には左派連合内閣に替わって、ポワンカレ挙国一致内閣(1926年~29年)が成立し、ポワンカレは蔵相を兼任してインフレと財政危機の克服に努めた結果、フランス経済は急速に回復し、この内閣でも外相を務めたブリアンは不戦条約(1928年)を提唱して国際平和に貢献しました。
名言集
"It is much easier to start a war than to get peace."
「平和を手に入れるより、戦争を始める方がはるかに易しい 」
続く・・・
5フランスの政情

ポン=タ=ムッソン - ドイツ軍の到着前に爆破された橋
フランスは第一次世界大戦で国土が戦場と成り、戦争の被害が最も大きく、戦勝国にもかかわらず戦後経済的・社会的苦難に直面しました。
その為、戦後のフランスではドイツに対する報復姿勢が強く、パリ講和会議ではドイツへの制裁を強く要求し、出来る限り重い賠償義務を課そうとします。

ジョルジュ・バンジャマン・クレマンソー(Georges Benjamin Clemenceau、1841年9月28日 - 1929年11月24日)
パリ講和会議にフランス全権として出席したクレマンソーは、1920年の大統領選挙に敗北して政界を引退し、1922年に首相となったポワンカレ(ポアンカレ、在任1922年~24年)は、ドイツに対する強硬政策を取り、1923年1月にはドイツの賠償不履行を理由にベルギーと共にルール占領(ルール出兵)を強行しますが、この背景にはフランスが、ドイツの賠償金総額の52%を受け取る事になっていた為でした。

1923年、エッセン市内を行進するフランス軍騎兵
しかし、ドイツがストライキ等で抵抗した為にドイツ経済は混乱に陥り、フランスも得るところなく1925年にはルールから撤兵を余儀なくされます。
こうした対独強硬策の失敗が明らかになる中で、ポワンカレ内閣は国民の支持を失い、1924年5月の総選挙では左派連合が過半数を獲得し、急進社会党のエリオ(1872年~1957年)を首班とする左派連合内閣(1924年~25年)が成立します。

アリスティード・ブリアン(Aristide Briand, 1862年3月28日 - 1932年3月7日)
左派連合内閣で外相を務めたブリアン(1862年~1932年)はドイツとの協調に政策を転じ、ルールから撤兵(1925年5月)、ロカルノ条約(1925年10月)を結んで独仏関係の好転に努力し、彼はその功績によってノーベル平和賞を受賞しました(1926年)。
左派連合内閣はソ連を承認する(1924年10月)等対外問題では実績を上げましたが、国内ではインフレを克服できず、1926年7月には左派連合内閣に替わって、ポワンカレ挙国一致内閣(1926年~29年)が成立し、ポワンカレは蔵相を兼任してインフレと財政危機の克服に努めた結果、フランス経済は急速に回復し、この内閣でも外相を務めたブリアンは不戦条約(1928年)を提唱して国際平和に貢献しました。
名言集
"It is much easier to start a war than to get peace."
「平和を手に入れるより、戦争を始める方がはるかに易しい 」
続く・・・
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コメント
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2018-04-13 23:17 編集
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2018-04-14 23:42 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
風は肌寒いですが、
ウオーキングにはちょうど良い
気候でしょうか。
時々仕事で忙しく訪問できない時もありますが、
宜しくお願いします。
国会前の反安倍内閣デモはかなり人数が増えて、
警察も警備がしずらくなってきたようですね。
奥さんが理事長に名前を出しているのですから、
知らないでは通用しませんが、
それを押し通すことが出来るのでしょうか?
2018-04-15 18:03 葉山左京 URL 編集
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2018-04-15 23:33 編集
葉山左京様 おはようございます。
でも、朝晩は久しぶりに冷え込みを感じます。
4月も早いもので、もう中旬になりました。
夜明けがいつの間にか、5時半過ぎに明るくなり、「早く起きなさい」と急かされている様です。
今日は、少し布団が恋しい朝です。
今回の問題は、どこで報道関係が手を引くかでしょう。
婦人の件は、避けて通れないでしょうが、場合によっては強突破を図るかもしれません。
個人的には、安倍政権には、周辺諸国の関係もあり存続を期待します。
2018-04-16 06:29 秋葉 奈津子 URL 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
少しひんやりしていますが、
春風の爽やかな感触です。
今はどこもハナミズキが満開ですが、
緑の葉がだんだん増えて来て、
街路樹はツツジやサツキにとって代わりそうです。
春が来たと喜んでいましたら、
もう4月中旬になりましたね。
季節の移り変わりも早いですね。
2018-04-16 22:18 葉山左京 URL 編集
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2018-04-16 23:22 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
初夏の陽気になりそうです。
暖かいのは良いですね。
赤茶けた山が緑に変わり、
新緑が醍醐の山を黄緑に変えています。
カエデやもみじも新緑に変わり、
世の中新鮮な気配が漂っています。
2018-04-17 20:16 葉山左京 URL 編集
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2018-04-17 22:17 編集
葉山左京様 こんばんは。
夜半にやっと、星空が広がりました。
この時期の雨は、黄砂が混じっているので、あまり好ましく在りません。
以前の黄砂は、春の風物詩でしたが、今は汚染物質も含んでいます。
黄砂は、現地でカラブラン(黒い嵐)呼ばれ、猛烈な砂嵐を意味しています。
日本から遠い、タクラマカン砂漠、ゴビ砂漠から飛散する砂の微粒子ですが、最近は砂漠が進み、中国大陸では呼吸器障害を起こす程になっています。
これも人間のエゴが作り出した、自然災害と言えるでしょう。
2018-04-18 00:38 秋葉 奈津子 URL 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
黄砂現象も人間のエゴから生まれた災害です。
中国の人は他国に災害をもたらしていることに無頓着です。
自国の繁栄だけを念頭に入れていても、
地球は小さいのですから、
自分で自分の顔に唾かけているのですが、
それがわからないのですね。
このままいけば、
地球は滅びます。
それがなぜわからないのでしょうか?
2018-04-18 21:08 葉山左京 URL 編集
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2018-04-18 22:59 編集
葉山左京様 こんばんは。
確かに朝晩は、少し冷えますね。
今回の雨で、雑草が一気に延びてしまいました。
今度の休みは、絶対に草刈をしなければなりません。
今年も雑草との戦いが、始まろうとしています。
自然は、一定の処迄行くと、全てをリセットする機能が存在するようです。
私は、歴史を学んで行く内に、今の時代に先行するもう一つの文明社会の存在を信じています。
その文明も現在と同様、自然をおざなりした結果、地球事態に滅ぼされたと思われます。
ギリシア神話に語られる、チタノマイキアの話は、オリンポス12神が戦いに勝利して現世がはじまり、ラーマヤナでは、現在の戦闘シーンを連想させる戦いの描写が多数存在します。
やがて、現代文明が滅んだ後、神話として次の文明に継承される事になるのでしょうか?
恐ろしい事です。
2018-04-19 00:56 秋葉 奈津子 URL 編集
秋葉奈津子様 おはようございます。
東の醍醐の山は雲がほとんどかかっていません。
朝は冷え込みますね。
8℃のの予報でしたので、
窓の結露がすごいですね。
地球は滅びずに、
人間が滅び、また新しい人種が文明を築いていくのですね。
それが神話伝説ですか。
そうならないように願いたいものです。
2018-04-19 05:41 葉山左京 URL 編集
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2018-04-19 22:34 編集
葉山左京様 こんばんは。
特に自動車のガラスは、洗わないと視界を遮る位、汚れています。
この時期の雨は、大陸から来る低気圧は、ほぼ間違いなく黄砂を含んでいます。
早く、南からの風が欲しい処です。
こちらでは、朝方でも気温が10度を下回る事はなくなりました。
北欧、ギリシア、北米、南米には、夢の時代と呼ばれる時代が有った事を伝えています。
この様な伝承を知り、調べる内に遠く離れた地域に、ほぼ同様な伝承が在る事を知りました。
神話、伝説は何らかの因果関係が、ある様に思われてなりません。
2018-04-20 01:20 秋葉 奈津子 URL 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
明日も暑そうです。
ツツジが咲き、コテマリも満開です。
宇治にある三室戸寺のつつじも満開でしょう。
TVニュースで宇治の平等院の藤の花が満開だと映っていました。
紫と白の藤棚もきれいです。
今年の夏は暑さが厳しいように思います。
地球温暖化の影響は年々激しくなっていくようですね。
困ったことです。
2018-04-20 22:15 葉山左京 URL 編集
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2018-04-20 23:07 編集
葉山左京様 こんばんは。
20日は「穀雨」なのですが、日中は、ついに初夏の様な気候になりました。
半袖に薄着姿が、目に付く一日にでした。
北九州では、ツツジが満開になり、街路も公園も赤、桃、白の花達が咲き乱れています。
ウグイスの声も明け方は、良く聞こえてきます。
空を見上げると、飛行機が雲を引いて飛んでいます。
それが、幾重に折り重なりながら、伸びる様を眺めていると、時間の経つ事も忘れそうになります。
2018-04-21 00:58 秋葉 奈津子 URL 編集
秋葉奈津子様 こんばんは。
30℃前後の気温です。
市内各地の有名な神社仏閣は、
外人観光客であふれています。
京都市内はホテルラッシュで土地の価格がうなぎのぼりです。
バブル時期が又きた感じです。
先行きが心配です。
2018-04-21 21:40 葉山左京 URL 編集
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2018-04-21 22:45 編集