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2009/01/23

ギリシア神話Ⅸ・アキレウスの弱点

アキレウスの弱点

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 ペレウスとテティスの間に産まれたアキレウスは、その優秀さは約束されているものの、所詮人間でしかありません。
これには母である女神テティスは大変悩みました。
不死である身にとって、老いて死に行く息子の姿を見るのは、なんとも耐え難いことでしょう。
彼女は深く悩み、ついにアキレウスを不死の肉体にすることを決意しました。

 テティスは赤ん坊のアキレウスの体に、神の食べ物で不死の象徴でもある”アンブロシア”を塗り、アキレウスの足くびを掴んで、アキレウスを釜戸の中にいれ、その火であぶりました。
これにより、アキレウスの可死の部分を焼き払ったのです。
儀式は成功したかと思われた時、その場にいきなりペレウスが入ってきました。
釜戸の中で焼かれている我が子を見たペレウスは、気が動転して大声を上げながらアキレウスを取り上げ、テティスに罵声を浴びせました。
それに恐れたテティスは、人界を捨て海の底に潜ってしまいました。

 儀式は中断され、テティスが掴んでいたアキレウスの足首の部分には可死が残った状態のままだったのです。
妻に逃げられたペレウスは、母を失ったアキレウスをケンタウロスのケイロンの元に連れて行き、その養育を頼みました。アキレウスは、ケイロンのもとですくすく育ち、もはや人とは思えないほどに成長をとげていました。
そんなアキレウスの成長をよそに、母テティスには一つの悩みがありました。
それは予言者カルカスが述べたアキレウスについての予言で、「後に起こるトロイア遠征には、必ず彼を必要とするであろう。」というものでした。

 かねてよりテティスは、もしアキレウスがトロイア遠征に参加するようなことがあれば、討死の運命にあることを知っていました。
そこで何とかしてこれを防ぎとめようと、彼に女装を施し、少女達の中に隠しておきました。
時は流れ、トロイア遠征の折、アガメムノン一行のオデッセウスによってアキレウスは見つけ出され、遠征に参加することになりました。

そして、その戦争の最中に、可死の部分である足首に、毒矢を受け死を遂げたのでした。

(トロイア遠征の詳細は今後”オデッセイア"の項でおこないます)


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