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2009/01/26

ギリシア神話XⅡ・蜘蛛にされたアラクネ

蜘蛛にされたアラクネ

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 昔、リュディア地方に、アラクネと言う娘が住んでいました。
アラクネは、機織(はたおり)が大好きで、又とても上手だと評判の娘でした。
その仕事振りと出来栄えは、人間技とは思えないものだったので、「もしかしてアラクネは、技術の神アテナ様から、機織の技術を直々に伝授されたのではないか?」と、噂になるほどでした。

 けれど、このうわさを耳にしたアラクネは、それに対して激しく怒り、人々にこういいました。

「私の技術はアテナ様から教わった訳では無いわ。それどころか、機織の腕前ではアテナ様なんかには負けないでしょうし・・・。」

 この恐れを知らぬアラクネの暴言に、人々は「その言葉を撤回して、一刻も早くアテナ様に懺悔なさい。」と諭しましたが、アラクネは「本当のことを言って何が悪いの?」と聞きません。
人々は「何事もなければよいが・・・。」と、半ば呆れながらもアラクネを心配していました。

 しかし或る日、とうとうこのアラクネの事がアテナの耳に入ってしまいます。
当然、この様な人間の思い上がりを女神として見過ごす訳にはいきませんが、慈悲深いアテナは、彼女をすぐに罰することはせず、このアラクネの勘違いを悟らせる為に人間界に降りていきました。

 まず、アテナは自分を老婆の姿に変え、アラクネに「おまえは人間の分際で神々を侮辱する事が許されると思っているのかい?今なら間に合うから早くアテナ様に謝ってきなさい。」と、諭しました。
しかしアラクネは、聞く耳を持たず、「今すぐ腕比べをしても良い。早くアテナを連れて来るが良い。」とまで言い出しました。
此れには流石のアテナも呆れ果て、とうとう女神の姿に戻り、アラクネと機織の腕比べをする事になりました。

 競技はどちらも甲乙付けがたいものでした。
アテナから見てもアラクネの技術は非の打ち所が無い素晴らしいものです。
しかし、アラクネの織り上げる布には、ゼウスが人間の娘達を誘惑している様子が描かれており、なおも神々を侮辱していたのです。
アテナも、流石に此れには腹を立て、アラクネの布を引き裂き、手に持っていた杼(ひ:機織の道具)で、アラクネの頭を打ちたたきました。

 この時、やっと自分の犯した罪に気がつき、その恐ろしさに絶望したアラクネは、自殺を図ってしまいます。
しかし、これを哀れに思ったアテナは、彼女の命を助け、彼女を蜘蛛に変えることでその罪を許しました。

こうして、助けられたアラクネは、今でも空中にぶら下がって、懸命に機織を続けているのです。
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