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2009/03/01

ラーマヤナ(15)・猿族の王国・其の一

猿族の王国・其の一

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<猿王スグリーヴァの友情>

 ラーマとラクシュマナは旅を続け、湖を越え、山へと入りました。
そのとき、突然一人の僧が二人の目の前に現れると、その僧は礼儀正しく二人に話しかけました。

「貴方様方は他所からお越しですね。どちらからいらっしゃたのですか?」
「そういうあなたは? なぜ私達の出自を尋ねるのですか。どんな目的がおありですか」

 警戒した様子のラクシュマナに、僧は答えました。

「此方には高貴なる猿王、スグリーヴァ様がお住まいです。ただいまは兄王ヴァーリン様に王国を追われる身柄です。あなた方はスグリーヴァ様をお探しですか?」
「おお! 当に私達はスグリーヴァ殿を探しているのです。どうかお連れ頂けますか」
「畏まりました。但し、その前に貴方様方の事をよく知らねばなりません」

 そこでラーマとラクシュマナは国を追放された事、シータがさらわれた事などをすっかり話しました。

「処で、貴方様はどういうご身分のお方なのですか?」

 ラクシュマナに問われて僧は両手を合わせて答えました。

「私はスグリーヴァ様の臣下、ハヌマーンと申します。貴方様方がヴァーリン様の手先ではない事を確かめる為に、僧の姿をしておりました」

 するとハヌマーンは、僧の姿から猿の姿に戻りました。

「どうぞ驚かれませぬように。私は自分の体を好きなように変えることができるのです」

 そう言うと、ハヌマーンはラーマとラクシュマナを軽々と肩に乗せることができるほど巨大な体に変身しました。
二人を肩に乗せたハヌマーンは、スグリーヴァの住まいにと向かって空を飛び始めました。
空から見下ろすと、地上には美しい景色が広がっていました。
その風景の至る所には、逞しい体つきの猿族の兵士達が見られました。

 ハヌマーンは二人をスグリーヴァの所へ案内しました。

「スグリーヴァ様、此方はコーサラ国の王子です。お二人は国を追われ、魔王ラーヴァナにさらわれたお妃様をお探しとの事。貴方様の協力を求めておいでです」

 スグリーヴァは二人を心から歓迎しました。

「私は猿族、貴方は人間族。それにも関わらず協力をお申し出いただいた事、たいへん光栄です。必ずやお力になりましょう」

 そしてスグリーヴァは涙ながらに自らの身の上を語り始めました。

「私は我が兄ヴァーリンによって国を追放され、妃も奪われました。其れゆえこの様な処で暮らしているのです。まずは私に貴方のお力を貸しては頂けませんか」

 ラーマとスグリーヴァは、ハヌマーンが熾した聖火に友情を誓いました。

「猿王よ。必ずヴァーリンを倒し、貴方の王座とお妃を奪い返すことを誓います」

 ラーマの言葉に、スグリーヴァは喜びで顔を輝かせました。

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