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2009/03/01

ラーマヤナ(16)・猿族の王国・其の二

猿族の王国・其の二

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<王座奪還>

 ラーマの協力を得て、猿王スグリーヴァは彼等の都、キシュキンダーへと向かいました。
そこでスグリーヴァは兄王ヴァーリンに一対一の決闘を申し込んだのです。
スグリーヴァは激しく打ちのめされされましたが、ラーマの約束を信じていましたので、決して諦めることはありませんでした。

 しかしラーマは木陰で様子を見守るばかりで、なかなか手助けをしてはくれません。
ひとしきり戦ったところで、スグリーヴァはラーマに訴えました。

「王子よ! あなたはなぜ見ているばかりで助けてはくれないのか」
「すまない、スグリーヴァよ。貴方方兄弟はよく似ているので、見分けがつかないのだ」

 そこでラーマはスグリーヴァに花輪を与え、二人を見分けることができるようにしました。
戦いが再開されましたが、やはりスグリーヴァが劣勢です。
そこでラーマはヴァーリンに狙いを定めて弓をひき、次の瞬間、胸に矢を受けたヴァーリンはどさっと地に倒れました。
 ラーマはヴァーリンに駆け寄り、その頭を自らの膝にかかえました。

「貴方は・・・何者か? 如何なる云われで私を殺すのか・・・?」

 そう言うと、ヴァーリンは息を引き取りました。

 ヴァーリンの死により、スグリーヴァは奪われた王座と妻を取り返しました。
ところが喜びに浮かれるスグリーヴァは、ラーマとの約束をすっかり忘れてしまいました。
そこでハヌマーンはスグリーヴァに申し出ました。

「スグリーヴァ様! ラーマ様とのお約束をお忘れですか? 今こそシータ妃探しの手助けをするときではありませんか」

 スグリーヴァは、はっと我に返りました。

「よく言ってくれた、ハヌマーンよ。喜びに目がくらみ、約束を破るところだった。さあ、すぐに我らの兵を遣わそう!」

 王の命令を受けて、ハヌマーンは屈強な猿族の兵士を募り、南へと探索に向かう事になりました。彼らの出発の前に、ラーマは自分の指輪をハヌマーンに与えました。

「これをお持ちなさい。きっとお前がシータを探し当ててくれるだろうから、其の時はこの指輪をシータに見せておくれ。そうすれば間違いなく私の使いだということがわかるから」

 指輪を受け取ったハヌマーンは、兵士を率いて都を出発しました。

 一行は困難な道のりにもひるまず、密林を通り抜け、南へ南へと進みました。
そんなある日、彼らは禿鷹ジャターユの兄弟、サンパーティに出会いました。

「シータ妃をお探しか? 魔王ラーヴァナが、彼等が島、ランカへと連れ去るのを見た」

 これを聞いて一行は南の海岸へと向かいました。
しかし、彼等の力では海を越えてランカ島へ渡るのは不可能です。
彼等は海岸で頭を悩ませました。

「いったいどうしたものか・・・。いかにしてこの海を渡ればよいものか・・・」

 其の時、兵士達は口々にハヌマーンに呼びかけました。

「ハヌマーンよ! この海を越えてシータ妃を探し出せるのは、ただ一人、お前だけだ! さあ、今こそお前の力を使うときだ」

 皆の期待を受けて、ハヌマーンは巨大な姿に変身すると、海の向こうのランカ島を目指して目にも留まらぬ速さで飛び立ちました。

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