FC2ブログ
2009/03/05

ラーマヤナ(20)・戦闘・其の二

戦闘・其の二

6a152b_convert_20090214220340.jpg

<偽の打ち首>

 ラーマ達の進軍を知り焦ったラーヴァナは、幽閉中のシータの心を乱して我がものにする事を考えました。
魔術によりラーマの打ち首を作り出し、シータの目の前に投げ出してみせたのです。

「これを見るがいい! ラーマの命は昨夜、我々がいただいたのだ」

  魔術とは知らず、すっかり動揺したシータは地面に崩れ落ちてぼろぼろと涙を流して泣きました。ラーヴァナがその様子に満足してその場を去った処、召使いの一人がそっとシータに近寄って耳打ちをしました。

「シータ様、どうぞご安心ください。あれは魔術により作り出された紛い物。ラーマ様は間違いなく生きておいでです。勿論ラクシュマナ様もご一緒です」

 驚いたシータは顔を上げてその召使いの顔をしげしげと見ました。
悪魔のなかにありながらも、このように清い心を持つ女性も、なかには存在したのです。

 ラーマと兵士達は愈々ラーヴァナの城へと迫ってきました。
ラーヴァナは城の頂上へ登り、その様子を覗いました。
そのラーヴァナの姿を目にした猿王スグリーヴァは、怒りに我を忘れ、単身であっという間に城壁をよじ登り、ラーヴァナに襲いかかりました。
スグリーヴァはラーヴァナの冠を奪い、投げ捨てると、再びラーマの基へ戻りました。
ラーマとスグリーヴァは相談のうえ、四軍に分かれて城を攻撃することにしました。
一方、ラーヴァナも自分の兵を集めると、こう告げました。

「見るがいい。あの猿どもは神が我らに与えた食料にすぎないのだ。お前達、好きなだけむさぼり食ってしまえ!」

 悪魔の兵士達は、ラーマの軍に攻めかかりましたが、ラーマとラクシュマナの放つ矢に倒れていきました。
運よく矢を逃れたものの戦う気力をなくして戦場から逃げ出す者も出てきました。
この様子を見たラーヴァナの息子、メガナンダは、魔術によって自分の姿を透明に変え、ラーマとラクシュマナに矢を放ちました。
放たれた矢は、なんと毒蛇に姿を変えて、ラーマとラクシュマナに咬みついたので、二人とも地面に倒れてしまいました。
ラーマが痛みをこらえながら神に祈ると、ヴィシュヌ神の乗り物である怪鳥ガルーダが現れました。
ガルーダは蛇の天敵です。
ガルーダはメガナンダが放った毒蛇をたいらげると、ラーマとラクシュマナの傷を癒し、空へと消えていきました。

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント