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2009/03/06

ラーマヤナ(21)・戦闘・其の三

戦闘・其の三

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<偽のシータ>

 戦いは益々激しさを増し、悪魔達が劣勢になってきたのを見て、ラーヴァナは自ら戦場へ赴きました。
ラーヴァナの姿を目にするや、ラーマは激しく矢を射かけ、たちまちラーヴァナの戦車は壊れ、御者は地面に転げ落ち、ラーヴァナの弓も役に立たなくなりました。
その様子を見たラーマは、誇り高い戦士らしく、ラーヴァナに告げました。

「ラーヴァナよ。私は武器を持たないものを攻撃することはしない。さあ、新しい武器を持ってもう一度やって来るがいい」

 これを聞いたラーヴァナは返す言葉もなく、城へと引き返し、初めての戦いで無残な目にあったラーヴァナは、城内で集を頼んで。

「敵はなかなか手ごわい・・・。今こそクンバカラナの力が必要だ。さあ、行ってあいつを目覚めさせよ!」

 クンバカラナはラーヴァナの弟で、山のように大きな体をしたクンバカラナは、一年の半分を眠って過ごします。
今もぐっすりと眠りこけていますが、なんとか起こさなければなりません。
悪魔達は太鼓を鳴らしたり、ラッパを吹いたり、クンバカラナの耳元で大騒ぎをしてみせますが、なかなか目覚めません。
そこで数匹の象を使い、その鼻でクンバカラナの体を無理やり持ち上げると、ようやく目を覚ましました。
 
 クンバカラナはラーヴァナの命によって戦場に赴き、その大きな体で次々と猿族の兵士をなぎ倒し、ラーマに近づきますが、ラーマは恐れることなく矢を放ち、クンバカラナの両腕を奪い、終にクンバカラナの首を討ち取りました。
クンバカラナの首は、勢いよく空を飛び、ラーヴァナの目の前で地面にどさっと落ち、弟の死を目にしたラーヴァナはいよいよ怒りを増しました。

 クンバカラナの死により、悪魔達の士気が落ちてきたのを見ると、ラーヴァナの息子メガナンダは、戦車にシータを乗せ、戦場へと進むと、シータの姿を目にして、猿族の兵士達は驚きの声を上げました。
メガナンダは剣を抜いて叫びます。

「よく聞け! それ以上一歩でも近づく者が有れば、すぐさまシータの首を刎ねてやる!」

 猿族の兵士達は戦いの手を止め、全員急いでラーマの元へと戻り、敵が戦場から居なくなったのを確かめると、メガナンンダはその場で呪術を執り行い始めました。
メガナンダは、自らを無敵にする魔術を持っていたのです。

 メガナンダの話を聞いたラーマは、気を失うほど驚き、動揺しましたが、ラーマの元に身を寄せていたラーヴァナの心善き弟、ヴィビーシャナが言いました。

「ラーマ様。ご安心下さい。メガナンダが連れているのは偽のシータ様です。メガナンダは魔術を操る力を持っているのです。これは、呪詛を行う為の時間稼ぎに違いありません。さあ、急いで、あいつが呪詛を終える前に戦いを挑んで下さい」

 ヴィビーシャナの話に安心したラーマは、ラクシュマナをメガナンダの処へ送りました。
メガナンダは呪詛の最中で、ラクシュマナに戦いを挑んだもの、ラクシュマナに打ち勝つことはできません。
メガナンダの敗北を目にした猿族の兵士達は、歓喜の声を上げました。

「ラーマ様万歳! ラクシュマナ様万歳!」

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