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2009/03/12

ラーマヤナ(27)・都にて・其の三

都にて・其の三

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<白馬の儀式>

 其の頃都では、ラーマがコーサラ国の一層の繁栄を願って、白馬を使った特別な儀式を行う事を決心して、聖仙ヴァシシュタに相談して準備を整えると、インド中の王様をその儀式へと招きました。
知らせを受けて、猿王スグリーヴァやミティラー国王は勿論の事、大勢の王様とその家臣が都アヨーディアへとやって来ました。
又、徳の高い僧侶も沢山集まり儀式に参加しました。

 まずは聖なる火を起こし、僧侶の読経が始まり、次に、この儀式で最も大切な、美しく立派な白馬が連れられてきました。
読経が終わると、白馬の首にラーマの宣言を書き付けたものが掛けられました。
その内容はこのようなものでした。

「コーサラ国王ラーマは、全ての国王の中の王である事を宣言する。これを認めない者はこの白馬を捕らえて戦闘に備えよ。これを認めるものは、毎年コーサラ国王ラーマへ捧げ物を持参せよ」
 
 ラーマはシャトルグナに自らの無敵の矢を与え、白馬が各地を駆け巡る間の見張りを申しつけました。
白馬が城を出発すると、シャトルグナは大勢の兵士を率いてその後を追いました。
最初に白馬の道行を遮ったのは、強力な悪魔の王、ラヴァナシュラでしたが、シャトルグナはあっという間にラヴァナシュラの軍を打ち負かしてしまい、ラヴァナシュラの敗北は周辺に知れ渡り、その後は誰も白馬を捕らえるものはありませんでした。

 白馬とシャトルグナの兵士は、次々と近隣の国王の領地を駆け抜け、やがて森の奥深く迄にもやって来ました。
そう、そこはまさに双子のクシャとラヴァが暮らす森で、双子はその白馬を見つけると、すっかり気に入ってしまいました。

「ねえクシャ! あの馬をご覧よ。なんて立派な馬なんだろう。捕まえて乗り回そうじゃないか」
「うん、そうしよう!」

 クシャとラヴァは白馬を捕まえると、そばにあった木につなぎました。
そのとき首に掛かった宣言に目が留まりましたが、それを読むと二人は涙を流して笑い転げました。
まもなく白馬の後を追う兵士達がやって来て、白馬が捕まえられているのを見ると、たいそう驚き、憤りましたが、子どもの仕業と知って、穏やかに注意しました。

「坊や達。この馬は君達のものではないよ。さあ、良い子だからこちらに返してくれるかな」

 ところがクシャは兵士に言い返しました。

「どうして? あの宣言なら読んだよ。返してほしかったら僕らと戦って取り戻すんでしょ?その勇気がないのなら、王さまのところに逃げ帰ればいいさ」

 兵士は怒りをこらえて二人を諭しました。

「君たちはまだ子供じゃないか。子供相手に戦う事はできないよ。さあ、馬を放しなさい」
「おや、恥ずかしくないのかな。そんなことは戦士が言う言葉じゃないよ」

 クシャはさらに言い返しました。
いっこうに言うことを聞かない子供達に腹を立て、ついに兵士たちは武器を手にしました。
するとラヴァは矢を放ち、次々と兵士を倒していき、これに恐れをなした兵士はシャトルグナのもとへ走りました。

「シャトルグナさま! 森の少年が白馬を捕まえてしまったのです。しかもこの少年達は弓矢で多くの者を倒しました。私達はこれを知らせる為に、命からがら逃げてきたのです」
「急いでそこへ案内せよ。この目でその少年達を確かめよう。どれ程勇ましい子供達なのか、見てみようではないか」

 そう答えると、シャトルグナは白馬が捕らえられた場所へと向かいました。

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