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2009/03/13

ラーマヤナ(28)・ラヴァとクシャ・其の一

ラヴァとクシャ・其の一

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<シャトルグナとの戦い>

 まだ幼い少年達の姿を目にして、シャトルグナは優しく話しかけました。

「君達! もう気は済んだかい。そろそろ馬を返してくれると有難いんだが」

 しかしラヴァとクシャは聞き入れません。

「陛下! 貴方様は何方ですか? どこの都から来たんですか? あの馬の首に掛けてある物は何なのですか?」

 シャトルグナは儀式のことについて説明しました。
するとラヴァはこう言いました。

「成る程、じゃあ僕達と戦うのが怖いから、馬を置いて都へ帰るって事だね」

 人を見下したような言葉にかっとなったシャトルグナは弓に矢をつがえましたが、その矢を放つよりも速く、少年たちの矢がシャトルグナの馬車を砕き、これでさらに怒りを大きくしたシャトルグナは、兵士にも命じて少年達に矢を射掛けました。
しかしラヴァとクシャは全く怯む事はなく、終にシャトルグナは少年達の矢に倒れ、意識を失ってしまいました。
城に逃げ帰った兵士から話を聞いたラーマは、信じられない様子でラクシュマナに命じました。

「最強の兵士を率いて森へ向へ!その子供達は聖仙の御子の様だから、殺さずに捕まえて、此処へ連れてくるのだ」

 森に到着したラクシュマナは地面に倒れたシャトルグナを目にして、ひどく驚きましたが、ラヴァとクシャの幼く愛くるしい姿を見ると、怒りを忘れてやさしく話しかけました。

「少年達よ! さあ馬を返しなさい。私達の王国は、何時でも聖仙には尊敬をもって接してきたのですから」

 処がラヴァとクシャは腹を抱えて笑いころげました。

「やあ、そうすると、貴方がシータ王妃を森に置き去りにした陛下だね。僕達と戦うの? 急いでアヨーディアへ帰ったら? そうでないと、さっきのご兄弟みたいになっちゃうよ」

 ラクシュマナは怒りを抑えて答えました。

「私は子供と戦う事は出来ないよ。誰か君達の代わりに戦ってくれる人を連れて来てはどうかね」
「代わりだって! それはこっちの台詞だね。貴方が僕達の矢に倒れたときに運んでくれる人を呼んだほうがいいよ」

 そういうとクシャは矢を放ち、ラクシュマナの冠を射落とし、もはやラクシュマナは怒りを抑えることができず、二人に向かって矢を放ち始めましたが、すべて空中でラヴァとクシャの矢に落とされてしまいました。
やがて、終に自らの体に矢を受け、ラクシュマナは自分の敗北を感じ、それでも力を振り絞って放った矢がクシャに命中し、クシャはその場に崩れ落ちました。
慌てたラヴァは自分の弓矢を投げ出して、クシャを抱きかかえるとクシャはあっという間に回復し、何事もなかったかのように立ち上がりました。

「やっと戦士らしい人が現れたようだね」

 ラクシュマナはかつてランカ島で悪魔と戦ったときに用いた強力な矢を使いましたが、それでも二人のところへ届くことなく、次々と空中で落とされてしまいました。
終にラヴァは聖仙ヴァールミキの呪いのかかった矢を用いました。
この矢を受けて無事でいられるものは三界に存在せづ、ラクシュマナもこの矢に倒れ、意識を失ってしまいました。
 
 ラクシュマナが倒れるのを目にした兵士達は、アヨーディアへと逃げ帰り、ラーマにラクシュマナの敗北を知らせたのでした。

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