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2009/11/20

歴史の?その45

<清朝の黄昏>

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 1875年1月(明治8年)、清朝の同治帝は、20歳の若さで崩御、子供も無く、死亡原因は、天然痘と発表されたものの、様々な風説が飛び交います。
先帝である、咸豊帝が1861年に崩御した際、皇后(東太后)には実子が無く、そこで妃の子供である同治帝が即位したのですが、其の時、同治帝僅かに6歳、東太后と西太后が供に並んで摂政と成りました。

 東太后は、大人しい女性で、政治上の野心も無い一方、西太后は、才気有る女傑で、この様な人物が並び立てば、権力は自ずと、西太后に集まるのは、成り行きです。
しかし、同治帝の皇后は、東太后の推挙した女性で在り、西太后は、同治帝が皇后と仲睦まじくする事を好みませんでした。
やがては、実子たる同治帝さえも、うとんじる様に成りました。

 その様な空気の中、皇帝は崩御、懐妊中の皇后は自害、良からぬ噂が飛び交っても其れは、致し方の無い事です。
皇帝崩御の当日、西太后は、宮中に人を集め、次なる皇帝を決めてしまいます。
その人物が、光緒帝で、西太后の妹の子で、年齢僅かに5歳、再び両太后が摂政する事が同時に定められました。

 其れから6年後、東太后は急死。
この時も毒殺との風説が、宮中に湧き上がったものの、真偽の程は定かではなく、権力は西太后の一身に集まりました。

 光緒13年(1887年)、皇帝も成年に達し、西太后の摂政を止め親政する旨が、公表されます。
しかし、西太后の権力は、衰える処を知らず、光緒帝自身も重要な政務には、その都度、西太后の指示を仰がなければ成りませんでした。
その上、皇后も西太后の姪を押付けられる形になり、青年皇帝の不満は、増える一方でした。
やがて、西太后やその側近に反対する勢力は、自ずと光緒帝の下に集まり、太后派と皇帝派の権力闘争は、次第に表面化して来ます。

 その爆発が、戊戌の政変(1898年)で、光緒帝は少壮の官僚を当用して、諸政策の刷新を断行します。
親政が現実に開始されたのですが、勿論、西太后や旧保守派の側近達の反動は、日増しに激しさを増して行きます。
終に皇帝派は、最後の手段として、軍閥の首領たる袁世凱を味方に引き入れ、西太后派を打倒すると供に、西太后本人を政権の座から、永久に隔離しようと考えました。

 しかし、袁世凱は皇帝の密旨を受けると、そのまま西太后の下へ走り、直ちに西太后は、勅令は発し、皇帝派を一斉拘束、処刑してしまいます。
光緒帝も幽閉の身と成り、西太后は三度、摂政の地位に就き、この後の皇帝は正しく、名前ばかりの皇帝で在り、全ての政令は、西太后から発せられました。

 光緒34年(1908年)、明治41年、前年秋から光緒帝の病が伝えられていましたが、西太后も又、大病の床に臥し、既に74歳の高齢と成っており、もし、西太后に万一の事が有れば、皇帝の親政が復活するのでしょうか?
この時迄、西太后の側近として、権力を謳歌して来た官僚達の運命は、如何なる事になるのでしょう?

 病床の西太后は、最後のそして重大な決定を下します。
1909年11月13日、皇太子として当時3歳の愛新覚羅・溥儀が指名を受けます。
光緒帝にも実子が無く、其処で、皇弟の醇親王の子を立てるという次第でした。
溥儀は、宮中に入り、醇親王は摂政王たるべき事も命じられたその翌日、光緒帝は崩御、更に翌日には、西太后も逝去し立て続けの悲報が、宮中を震撼させました。
今回の皇帝崩御に際しても、殺害の風説が宮中に渦巻きます。

 溥儀が清朝最後の皇帝、宣統帝で在り、後に大日本帝国の傀儡国家、満州国初代皇帝に成った事は、現在でも良く知られています。
溥儀の回顧録に以下の様な一節が有ります。
「光緒帝は崩御する前日迄、体調良く元気であった。処が、薬を一服飲んだとたん、症状が一変したと云う。その薬は、袁世凱がよこした物だった」。
「病気は、普通の感冒だった。宮中の人々は、皇帝の容態が重いとの知らせを聞いた時、皆不思議に思った。更に不思議な事に、容態が重いと知らされてから、4時間と経たない間に、崩御の知らせを聞いた」。
以上 “我が半生 上巻”より

 薄幸の皇帝、光緒帝は、本当に病に倒れたのでしょうか?
或は、同治帝や東太后と同様に、西太后の手に掛かってしまったのでしょうか?
しかし、この頃、清朝の命脈も当に尽き様としており、1912年2月、宣統帝は退位し、此処に清朝は事実上滅亡しますが、その水面下で暗躍した人物が、軍閥の巨頭袁世凱で在り、清朝の国務総理大臣と成りながら、一方では、国民党と手を結び、清朝打倒の後には、中華民国政府の初代大統領に就任する事と成ります。

続く・・・
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