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2010/01/25

歴史の?その101

<世界の果て>

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 カナリア諸島の直ぐ南、アフリカ西海岸のボハドル岬の崖下では、大西洋の荒波が絶えず荒れ狂い、泡立っていました。
その向こうには「暗黒の海」が在り、其処に住んでいるのは、怪物や死んだ水夫の亡霊でした。
ここは世界に果て、そしてボハドル岬は、“帰還不能地点”で、此処から先に進んだ者は、二度と戻れないと14世紀当時の船乗りは教えられ、恐ろしさに震え、余りにその恐怖が大きかったので、アフリカ西海岸から先の探検は、なかなか実現しませんでした。

 探検や発見に熱心だった、ポルトガルのエンリケ航海王は、この様な話が探検、調査の大きな障害に成っている事を憂慮して、この話は単なる、迷信に過ぎないと嘲笑していました。
ポルトガルの船乗り、ジル・ヤネシュは、エンリケ航海王からアフリカ西海岸の調査を依頼された事を機会に、実際、ボハドル岬の南には、何があるのか、調べる事を決意しました。
彼は、迷信深い船乗り達を説得し、船を“世界に果て”に進めたのでした。

 結末から言えば、この調査探検の結果は、参加した臆病な乗組員達を大いに驚かせたに違い有りません。
恐ろしい岬も危険な暗礁も無く、在ったのは、平和そのものの様な海岸線だけでした。
イワシの大群が水中に煌めき、銀の海を航海している様に見え、風が吹き付けると、大海原が盛り上がり、風に舞い上がった砂漠の砂が、時には空を暗くしました。

 その様な光景を眺めながら、船は南に航海を続け、其れまでの話が単なる迷信に他ならない事を実証したのでした。
既に出帆時の恐怖は、全て消え去り、船は海岸線を更に南下、母国ポルトガルから1700km離れた砂浜に上陸してみました。
その場所で、見慣れた植物、ローズマリーを見つけ、エンリケ航海王に献上する為、採集してから、船を北へと転回したのでした。

 この航海の陰には、15年間に渡る、15回の試みが在り、ジル・ヤネシュの大胆な冒険は、其の後、ポルトガル人船乗りの、新しい発見への道を開いたと言えます。
そして、アフリカ西海岸に残っていた数千kmに及んだ未測量地域も、この快挙から70年以内に消滅したのでした。

続く・・・
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